昔のオフミの実態!!
-中編-
しかし、ここで諦めてしまっては後からやって来る10人のかたがたに申し訳が無い。
しかも開始時間まで1時間程度しか無い。
我々は無我夢中で持参してきた黒いゴミ袋を何枚も取り出した。
ここで、冷静に部屋を見てみると、異常な散らかりようではあるが、散らばっている物の種類はそう多くはない。
本とゲームソフトと紙類と「食い殻」ばかりである。
しかも「食い殻」は先程、アスキャットのほうで何十個のビニール袋にすでに整理されている。
まずは、このビニールをどんどん黒いゴミ袋に詰め込んでいった。
あっという間に4つ程の袋がパンパンに膨れ上がった。
何十個ものビニール袋は素早い対処で無くなったものの、部屋の狭さは相変わらずである。
やはり、本が多すぎる。
由紀緒氏が本を片付ける。
わたしも玄関に散らばった何十ものチラシを集め始める。
けっぴ氏は散乱している衣類を押し入れに投げ入れる。
あゆむ氏もそこらじゅうに落ちているゲームソフトを紙袋に詰め込み始める。
ゴミはどんどんゴミ袋に投げ捨てて行く。
そのとき黒いゴミ袋にも限りが見えてきた。
なんてことだ、もう台所にはゴミ袋の山ができている。
けっぴ氏はバスルームへの待避も構わないと言い始める始末だ。
いくろう氏がゴミ袋と手袋を買いに出て行った。
残り時間ももう少なくなってきている。
そのとき家主であるえでぃY氏が帰宅してきた。
キレイになり初めているわが家に少しばかりとまどいと喜びの表情をさせている。
家主の帰宅によって、捨てていいものかどうか判らなかったものがどんどん判断され捨てられるようになり、大掃除のスピードはさらに加速して行ったのであった。
由紀緒氏とわたしはゴム手袋を着用し、今までタブー視されていた部屋の隅に手をつけることができた。
そのときと同時に隣の部屋で無いものと思われていた電気掃除機が発見されたのである。
そのおかげで台所に無数に落ちていた昆虫類もあとで吸い取ることができたのである。
そして、本も積み上げ、部屋の隅々まで掃除機をかけ、はじめてのことではないかと思われる畳のぞうきんがけまでもし、1時間前とはとても比較できない部屋に生まれ変わった。
掃除部隊の目には熱いものが自然とこみ上がってくる。
部屋は間に合った。
人が座れるようになった。
本当に嬉しい。
時間になり、ぞくぞくと参加者が登場してくる。
もし散らかった部屋がそこにあったとすれば、無言でこの地を後にする者も現れたに違いない。
だがしかし、このままではただの座りオフで終わってしまう。
台所、それも「流し」付近をキレイにしなければならない。
流しはどうひいき目に見ても死んでいた。
食器が黒い。
マナ板も使えない。
そこに勇気ある由紀緒氏の手が入れられた。
鍋の主役でもある鳥肉を切るためにもマナ板と包丁の復活はどうしても実現させなければならない。
気を入れて由紀緒氏がマナ板をゴシゴシとこすった。
スポンジはみるみるうちに黒くなる。
それでもマナ板は最初より何十倍も美しくなった。
使えそうである。
次は包丁だ。
どうしても汚れが落ちない。
包丁だけ買おうという案もあったが、けっぴ氏が身を粉にしてバイ菌を火で除去し、衛生面では安心できる包丁になった。
役者は揃った。
あとはナベの中に物を投げるだけとなった。
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1994.1まじ