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初めての曲に、恐怖みたいに感動してすごくせつなくなったとき、俺は誰を思い浮かべたらいいのでしょう。
一万人に一人の割合で俺が産まれる・・・
全世界で俺の人口は60万人。ドイツの俺はドイツ語を喋り、中国の俺は中国語を喋る。
俺は決して国会議員に出馬したりしないけど、もししたとしても当選することはない。俺自身が俺に国はまかせられんと思ってるから。
東京ディズニーランドがいっぱいのとき、園内に俺は10人いる。たまに会うとちょっと気まずい。
街で子どもの俺を見かけるとなんだか懐かしくなり、年配の俺を見かけると少しブルーになる。
建設業、販売業、整備士、色んな職に就いた俺がいる。頑張って勉強した俺は弁護士になってるかも。でも芸能人や有名なスポーツ選手になった俺はいない。所詮俺は俺なんだ。
昨日ニュースで見た。俺が宝くじで1億円当ってた。羨ましい。 でも他のニュースでは殺人事件に巻き込まれて俺が亡くなってた。男女関係のもつれらしい。
世界中色んな俺がいる。
閃いたアイディアがうっかり成功してお金持ちになったアメリカの俺。飢えて死んでいうルワンダの俺。普通に幸せな家庭を築いて生活してるフランスの俺。家族を残し、戦争で死んでいったイラク兵の俺。
思い出の服。もう3年も使っててさすがに限界かなって。
その服の襟の後ろのとこに、プラスチックの細長いやつがついてた・・・
言葉を練ったり、こねたり、叩いたり、引っ張ったり、何かをかけたり、焼いたり、蒸したり、色つけたりする前に
好きと言えばよかった・・・
気付いたら鉄の部屋にいました。窓もドアも模様も椅子も机も、まるっきりなんにもないただの灰色の四角い部屋。ただその部屋の壁の上の方に一つのまるいボタンがありました。
何日かたってここからは出られないと悟りました。窓も電気もないのに何故か明るい部屋。やることはなくてただ、ボタンを押したくてしょうがありませんでした。背伸びしてもジャンプしても届かないそのボタンを押したくてしょうがありませんでした。毎日毎日ジャンプの日々。そしてそれに疲れたら眠り果てていました。
車の中、適当な音楽をかけながら一息つく。 火も消さず、煙草を灰皿に突っ込む。閉じられた灰皿の中で、徐々に消えていく火を想像しながら、ゆっくり一呼吸つきました。
蟻の巣とちょっと離れたとこに、ケーキが落ちてた。ケーキと巣の真ん中でゴリラが喧嘩してて、でもそれにもかかわらず蟻は行列をつくり、せかせかとケーキを運んでた。ケーキに行く道か帰りにゴリラに踏まれてしまった蟻がたくさん転がってる、それにもかかわらず蟻は何事もなかったかのようにケーキを運んでる。見かねた俺は一匹の蟻にたずねました。「お前これからあのケーキのとこまでいくのか?」「ああ、そうだよ」「いや、お前ゴリラに踏まれて死ぬって!」「ハハハ・・・」「いや、ハハハじゃなくってさ、あそこでみんな踏まれんじゃん!」「踏まれて痛いわけじゃないしさ、いいんだよ」「お前の人生終わるんだぞ!」「??それってたいしたことなの?」「・・・。 OK・・・Go ahead・・・。」
「いいか〜、髭はな、下に向かって生えてるからしたから上に剃ると一番よくそれるんだ。こ〜ぅいう感じでな。でも全部の方向で剃らないとだめだ。剃り残しができるからな〜。口の下を剃るときは唇を切らないように気をつけるんだぞ〜 わかったな〜。」
このとき俺は、五歳児にして、髭の剃り方を知りました・・・。
3mの剣を口から下に貫かれて、持ち上げられ、火であぶられてます。両サイドの奴らは、俺の体に満遍なく火が通るようにゆっくり回す・・・。
剣で口が開いてるし、喉も内臓もぐちゃくちゃ、痛いし熱いし、抵抗できぬ・・・
背中が上になってるときから逆に回るときが、更に激痛。体の重りでグルンって回る・・・
それでも唯一動く目をぎょろぎょろさせながら周りを気にしていました。 さすがにこんなみっともない姿を人に見られたくないのだ・・・