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スパゲティーミートソースは無くてもナポリタンが定番メニュー。
メインのフライを変えるだけで種類が幾重にも増えていく定食類。
よく値段を見比べると、妙にバランスの取れていない事実には目をつむろう。
炒飯を一つだけでも届けてくれるフットワークの軽さは重宝している。
オムライスや牛舌の煮込みシチューに情報誌掲載をも匂わせる小洒落た街の洋食屋ではない。
同じ型の作業着に身を包んだサラリーマンや電気工、近所の店員で昼はごったがえす定食屋である。
そこが嫌いではない。
常連ではないつもりだが、店をでる時には
「【毎度】ありがとうございました。」くらいは言われるようになった。
季節感のない生活を送っていた学生時代の事である。
昼過ぎに空腹で起き出した僕は、とりあえず商店街を抜けながら駅へと向かった。
肉屋や魚屋の壁に、弁当屋の新メニューに、カキの文字が輝いていた。
そんな季節になったんだなと一人納得をしながら通過したのは体だけで、脳内の一部はそこから動けなくなった。
つまり、
「カキフライはいいよなぁ。」
「カキのムニエルもまたいいよなぁ。」
「生カキに梅肉の香りを移してちゅるる〜いいよなぁ。」
「カキ鍋を大勢で囲むもまたいいよなぁ。」
全身黒タイツでお薦めの一品をプラカードに書いた僕の思考達が、自由勝手に走り始めたのである。
こうなったら手がつけられない。
結構な労力を天秤にかけてもカキを食べないことには納得しないのである。
まっすぐに雀荘に向かった。
最初に話した定食屋の得意先がここだったのである。
出前用のメニューが置いてあり、たしかにそこには書いてあった。
カキフライ……時価
貧乏性な小市民生まれにとっては「時価」たる二文字のなんと神々しくも畏れ多いことか。
畏怖の念という言葉はまさにこれに表される。
いつか、これをここで注文してやる!
そんな根底に流れた誓いもあった。
まさにシーズン真っ盛りな今、そりゃ時価もボッタクリはしないだろう(高いといっても想像の及ぶ店ではあるのだが)。
ここで野菜炒めと大盛り焼肉定食を頼んでは男がすたる。時は満ちた!
まったく麻雀をする意欲の無さをアピールするように奥の席へ納まり、自分で出前電話をかけた。
見慣れた白皿とキャベツ盛が
裏に銘が彫ってるあるような気がしてきた。キャベツもきっとオーガニクス栽培で厳選された素材にちがいない。
なんせ「時価」なのだから。
そしてメインたる高みに鎮座する五御大。やっとあえたね…
まてーぇい!
なんだ、その黒ずんだ体は?
輝ける白絹の衣はいどこへ?
なぜにカキフライにタルタルソースがかかってないんじゃぁ。
フライ&ソースのコンビネーションは否定しない。限りなく好きだ。
が、
カキフライは許せないだろう!
いまなら「タルタルソース 時価」とか書いてあっても注文してしまいそうだ。
とにかく、このままでは食えん。
ダメもとで雀荘の冷蔵庫をかき回す。
家庭以下の必要性に伴った素材しか入っていない所に未来はない。
この状況を打破するには、一つに賭けにでるしかない。
色彩と状態は近いものがある。
ほのかな酸味も内服しているわけであり、あながち遠い存在ではないように思えてきた。
Let's try!
フレンチドレッシング(白)
後学のために伝えておこう。
やめとけ
メンタル・フィジカル共に脱力なここ数日なので、決意!
カレー作るべし。
とりあえずタマネギを炒める事に全力を注ぐべし。
並んだスパイスを振り込むのに五感を総動員すべし。
脳内が黄色く着色はするのだが単一色に向かいつつはあるので、とりあえずはこの路線で。
別に真っ白や無色だけがクリアな訳ではないはずだ。
「限りなく透明なブルー」
そんなタイトルの本があるくらいなんだからね。
「限りなくクリアな黄金色」
マネーロンダリングされた裏金みたいですが気にしないように。
なんのレシピも考えないでスーパーへ到着。
にんじんは昨日サラダ用に買い込んであったので、タマネギと新ジャガ、鶏肉をつかむ。
シメジとブロッコリーもかかせない。
で、こっからのひねりがいつも思いつかない。
シーフードに行くには肉外さなくてはならないけれど、鶏肉マニアとしては踏み込めない。
だからまたしても香辛料を一種類増やすにトドマル。
時は繰り返し、上がり沈む日にもまた鍋の中には混沌しかない。
同形状の異なったラベルを背負った小瓶で棚を埋め尽くすしか方法はなく、機械的につかんではシェイク&シェイク。
日本印度化計画とかBGMに流してもいいのだが、テンション的にはもっとフラットなノリでいっときたいので却下。
今日の完成はあくまでも下地でしかなく、明日や明後日にづづく熟成のための布石となるだけである。初日からテンション上げ過ぎると後がつらい。
教えられるものはある。
とりあえずは食欲満たしてくれる。
経済的だし、月末だし。
会社の近所にカレーのチェーン店ができました。
さっそく並んでテイクアウトを楽しんでおります。
日々これカレー。
本日もメニューとにらみ合いしてます。
御飯の量、辛さ、トッピングが豊富な店なのです。
ちょっと気まぐれに選んでみましょう。
「チーズカレー大盛り辛口で、ツナをトッピング。グリーンサラダをノンオイルシソドレで!」
注文姿も板についてきています。
慣れたもんです。
辛口天国です。
でも激辛は季節がら汗ひかないし、トイレつらくなるし、控え目の方向で…
混んでいるランチタイムを見越してか、トッピング類やサラダは事前に小分けて用意してあります。
僕のツナも冷蔵庫から可愛げなカップに入ってでてきました。
ん?
カレー冷えるような気も…
ま、おおらかな気分で許す!カレー人は良い人の集まりです。
さっそく会社に帰ってきて開封!
机の上に買って来た物を広げる幸せ。くぅ〜感涙
そうだ、手を洗ってこなくては。幸せにかまけて、忘れるところだった。
〜〜〜洗浄中〜〜〜
おまたせ〜食料諸君!
あれ?
なんか全体に位置がかわってる。スミに追いやられる。
そればかりか…
ツナ消えとる。
ひいいいい、どこいったぁ?
今日の楽しみの中心じゃないかぁ。でてこぉ〜い!!
怒らないからぁ〜
残さないからぁ〜
むああああ、半泣
「あ、〇〇さん、お茶入りましたよ。置く場所無かったので、少しよけちゃいました。」
後輩が僕に遠くから声をかけてきた。
ありがとね。でもね、今はそれどころじゃないのさぁ。
大事な紛失物捜査中さぁ。
「それにしても珍しいですねぇ。」
ん?
アタフタしてる僕の姿がそんなに珍しいのか?
いつもは冷静沈着を装っているからなぁ。
「サラダとツナが小分けにしてあるなんて…」
あうう…発見。犯人もツナも。
そんな気の遣い方いらねぇよぉ〜。
今日のお昼献立:
〇お〜いお茶
〇チーズカレー(大盛り、+3辛)
〇ツナサラダ(しそドレ)
号泣
さて、晩御飯に悩むのは定例のごとく訪れるわけで…
黒っぽいスーツのまま閉店間近のスーパーで半額札を吟味している姿も板についてきました。
先に料理を決めて必要な材料を買いに行く「男の買出し」スタイルから、スーパーにて値段や品質によって手に入れた物で料理が決まる「日本の母な買出し」スタイルへ変化もとげました。
キノコの歌も有名になってきました。
で、健康診断を意識して選ぶと野菜中心の物へ。しかも火を通すことによって量を摂取できるように考えてみる。
ちょっとだけ寂しいので、脂肪分少ないトコの鶏肉も少々。
鳥を焼くならキノコも必要!
なぜか豆腐も安くて購入。うむ。
帰宅。
ここからが直感の勝負です!
生まれてから二十数年の味覚記憶を食品単位に分解して、再構成しなくてはならないのです。
単にレシピ通り作れば問題ないのですが、そういう性格でもないから。
分量とかを軽量スプーンとかでgやo単位で測っていると化学実験でもしてるような錯覚に陥るしね。
だからひねった物にはならない場合が多いです。
さて、今回の挑戦。
手早く鶏肉を炒めて塩・コショウ。シメジを加えてガーリックパウダーを一振り。
冷凍ブロッコリーとミックスベジタブルを落としてから、チューブ入りのデミソースを加える。
隠し味にオイスターソースなど少々。
いい感じかも!小洒落た気配が漂ってきた。
そして安かったモヤシ投入。ここが料理の属性を転化させた。
なんか洋な色合いだった物が、モヤシの水分とデミなどのソースがからまり妙なトロミが発生。
オイスターソースが突如香りを主張しだして…
「中華あんかけ風ハヤシ鶏肉仕立て」
丼物作った記憶はないのに…
こんなに白米とのハーモニーをかなでるつもりはなかったのに…
食すすんじゃいけないのに…
汚れ物を洗うのだから洗濯機な訳である。
落ちもしないのに機械化までして衣類を水浸しにする必要はない。
平日はつい仕事明けに体力が低下してしまい、洗濯が頭をかすめる事はない。
徐々に着替えが少なくなっていき、週末こそが洗濯日和なのである。
掃除日和であり、冷蔵庫の中身整理日和であり…
猫砂取りかえ日和でもあり、酒買い込み日和でも…
お風呂&トイレ磨き日和でもあり…
ようするに家事全般をこなさねばならない。
一人暮らしだからね。多少早起きするなり土日のかたっぽを潰してしまえばすむと頭では理解できてるのだけど。
そんなこんなでたまった洗濯物は、さすがに一回では洗い終わらない。
できるだけ洗い回数を減らそうと、過去に限界まで押し込んだ結果、
1:回らない
2:洗剤解けない
3:ドラム停止
4:崩壊