【福】人間万事塞翁が馬【禍】

朝ベッドのアラームで目が覚めて、カーテンを開いてみる。
朝日が眩しい…『今日も暑くなりそう』な良い天気
招待客には申し訳ない猛暑になりそうな予感
シャワーを浴びて髪を乾かしていると夫がようやく起きてきてシャワーへ
私は右目のコンタクトを入れようと何度も頑張っていたが何故か入らない。
よく指に置かれたコンタクトを見てみると真ん中から裂けているのがわかった。
一瞬ｵｫｫ━Σ(‐△‐●)ﾉﾉ━ｯ!!状態だったが、緊張している夫を動揺させないよう
コソッと支度を続けた。
シャワーから夫が出てきたところで、事情を冷静に説明すると少しテンパリ気味
しかし、朝食をしっかり食べた後、美容院に入室予定時間に間に合うようタクシーで一回家に
戻り、コンタクトを持ってホテルに戻る作戦を実行することにした。
朝食を食べにレストランに行くとすでに前泊組の親戚達がきていて、すっぴんの私と写真を
取りたいとせがまれた。
『そんなヒマあるかあぁぁぁ!!』とキレそうなのをグッと堪えて笑顔で応対。
内心ドキドキしながらも余裕ありげな面持ちで朝食をたいらげ、夫に別れホテルを
脱出!!
７時過ぎの○○桟橋付近にタクシーの姿はなく…汗は掻きたくなかったが、大通りまで
サンダルでダッシュ
ようやく一台捕まえ、運転手さんに今日は特殊事情を伝えるとかっ飛ばして７分後
うちの玄関の前到着。
慌てて鍵を開けてコンタクトの箱をカバンに詰め、すぐ隣の実家へ行った。
何食わぬ顔で『おはよう!今日はよろしく〜』と母に言ってみた。
つづく

着てきた服に着替えて、メイクはそのままヘアだけアレンジしてもらいスィートに行ってみた。
夕暮れの東京湾を臨む窓の景色に義父・義妹が見とれていた。
しばしスィートを堪能・探索し、うちの母・弟も揃い『両家最終ミーティング』を始めた。
当日の朝からの各自の役目、美容院・衣装室への入室時間の確認、進行、心付の配布リスト、
二次会へ出発するまでの流れを説明し終わり、最後は全員で円陣を組み『がんばっていきまっしょい！！』と
手を合わせた。
前泊組の到着連絡が続々と携帯入り、ホテルのレストランに夕食の予約を入れた。
妹・弟・義父・母に客の相手を任せ我々は一度帰宅
二次会の景品・お土産の準備、スピーチの原稿最終チェック、会社に寄って入金のチェックしたり
いろいろやっていたら２２時をまわっていた。
急いでタクシーを拾い１０分後、ホテルの最上階にあるスパ利用は明日にしてレストランの前夜祭組に
挨拶をしてスイートルームへ戻った。
やっとラクな服装になり、一人で入るには広過ぎるジャグジーにお湯をはりながら、
いつも化粧ないっ気のない私のメイクとヘアアレンジを惜しむように夫はカメラをパシャパシャ
二人でジャグジーにつかり、二人思わず『あ゛ーぁ゛』とため息をついた。
ジャグジーで缶ビールで乾杯し、明日の事をあれこれ話し合った。
興奮気味で寝れないかなぁ…と思っていたが、今日までの激務を乗り越え安心したのか、二人とも
あまーいコトもナシにコテッと眠れてしまった。
つづく〜

夫は、休みをもらい、会場のホテルで２日間応接間になるスィートにチェックインし、
午後には宿泊つきの招待客の接待に備えていた。
私は昼過ぎまで仕事に追われていた。
午後からヘアメイクと着付けのリハが入っていたが、ギリギリまで仕事をこなし、
それでもなんだか後ろ髪を引かれる思いでリハに向かった。
でも、美容室に到着した途端…自分でも驚くほど幸せな気分になった。
これまで喧嘩しながらお金のかかる事や面倒な細かいことまでホントによく頑張ってきた。
もう明日で終わる、明日は何にも気にせず、黙ってニコニコ幸せオーラを放出して
ればいいのだ…お嫁さんてそういうモノだ。
メイクやヘアの仕上がりに満足し、オーダーしたＷＤを着せてもらった。
そして鏡の前で不覚にも泣きそうになった
ＣＤ用に髪と顔を直し着せ替えしてもらい満足満足で夫の待つスィートへ
向かった。
つづく↑

入籍して五ヶ月…
これまでの日々は、挙式・披露宴の準備に追われ、夫婦になった実感など
全然沸いてこなかった。
たかが結婚式、されど結婚式…
そんなものはしなくてもいいと思っていた頃もあったが、年老いた親戚達の為、結婚できるように
力を貸してくれた人達への御礼の気持ちとして宴席を設ける…我々夫婦はちょっと大きなパーティーの
幹事になったようなものだと思い頑張ってみた。
つづく↑

若い従業員が『工場で働いている、と友達に言えない』と言う。
高卒で働き始めて１０年、車も買えたし、貯金も出来てる。
サラリーマンには変わりないが、リストラされた親には『手に職があるヤツはいいなぁ』
と、羨ましがられた。
決して、ラクではないのだ。でも確かに技術は身につき、会社に貢献している。
でも言えないらしい。
ただのサラリーマンだと言っている。
『工場で働いていると言ったら、社会の底辺にいると言われた』らしい。
社会の底辺にいたらいけないのか？
底辺で働いてはいけないのか？
底辺では幸せになれないのか？

そういう生き方は、今の若い人達から見て、どう思われているのだろうか？
『工場で働く』と言う事は、決してラクではないが、やはり辛いことなのであろうか？
一から紙の扱いを習い、機械のオペレーターとなるわけだが、普通はただの工員になってしまう。
しかし、その技術力は、業界のトップレベルであり、ウチの従業員の何人かは、関東・全国にまで、
名前が知られている一流のオペレーターである。高待遇での引き抜きを持ちかけられた事もあるし、
商才があれば独立することも出来た。
会社にとっても功労者であり、４０年も勤めてもなお、体力と自分の腕が衰えない限り、会社にとっては、
貴重な戦力であり、その技術を使う会社であれば、どこででも働けるのだ。
つづく…

ウチの工場には、勤続４０年を超える従業員が２人いる。
二人とも新潟県の出身で、中卒で就職してきた。
昭和３０年代、地方の農村では、長男以外の男の子は学費をかけられないので、
集団就職で東京などの大都市で住み込みで働ける会社に就職させる事があった。
ウチの工場も当時、何人にも中卒者を受け入れ、皆、住み込み、家族と同じ釜の
ご飯を食べさせていたそうだ。
最初は、水洗トイレの使い方から教え、挨拶、身の回りの整頓、お金の使い方まで
１６歳の男の子に社会の中で生きていく術を教えてきたのだ。
そんな彼らも現在６０歳を超えている。
職人として、腕一本で妻子を養い、家を建て、今は孫にいる。
冷暖房のない工場の中で一日中、汗とホコリにまみれて、つかんだ幸せである。
奥さんも子供達もお父さんを尊敬している。
つづく…

美容院代・ネイル代・化粧品代・友達との付き合いなど、私が自由に使うはずの
お金の中から補てんする事になっている。
私は『おかげで３ヵ月は美容院に行ってない』と友達に話すと
『そんな不公平な話はない！！補てんする必要なし！パチンコやめろ！』
とかなり攻められてたいた。
私は、仕事と家事でほとんどお金を遣う所がないので、ガマンできる範囲で
補てんしている。いつか男として、この状況がかなりヤバイと気づくだろうと
期待していたわけだが…
結構早く気づいてくれた。
朝、テーブルの上に『念書』が置いてあった。
『もうパチンコはやめます。もし守れなかった時は………』
と言った感じで今までの反省の気持ちと私に対してもっと遠慮せずに
自分に対してダメ出しして欲しいような事も書いてあった。
ガミガミ言うのは簡単なのだ。
でも、男として、人間として腹を括って覚悟しなければならない時が、
必ずある。そういうときにどんな対処をするかを私はいつもみてきている。
まだ若いし、悔しい思いも、恥ずかしい思いもたくさんしていくうちに気づくこともあるのだろう。
だからって信じてはいない。
病気だからだ。
吸い込まれるように、店に入って、勝っても負けても帰る時には後悔しているのだ。
当分、自分をコントロールできるか出来ないかで悩むことになるだろうが、
長い目でみてやろうと思っている。

父は、結婚して子供がうまれてからは、一度も小遣いを請求しなかったそうだ。
営業という仕事はいろいろと副収入があるそうで…
給料に一切手を付けず母に渡していたらしい。
競馬・競輪・パチンコ・スロット・麻雀…
賭け事が大好きだったのに、いったいどうやってお金を捻出していたのだろうか…
関心する。
私も親の血を継いでいるらしく、嫌いではない。
でもパチンコ・スロットは座っているだけで、どんどんお金がなくなっていく様を
みているだけのような気がして、行くと必ず不機嫌になる。
一人ではいかない、大抵、夫が同伴なのだが、かなりの頻度で喧嘩になるので、
今後は『もう行くまい』と心に決めている。
競輪・競馬は、家族レジャーの一環として小さいときから、我が家には定着している。
必ず、指定席をとり、１レースから最終までやるのだ。
資金が多いわけではないので、Ｂ級グルメを楽しみつつ、１日楽しく過ごせる。
夫は、多分、パチンコ依存症なんだと思う。
１ヵ月の小遣いのうち、半分以上を給料日後一週間で使う。
友達同士の飲み会でその事が話題になったらしい。
当然、次の給料日までには、苦しい状況になるのだが…
つづく

その後もこの夫婦、旦那が単身赴任中に性病にかかり、お土産に彼女も同じ病気にかかり、
また、離婚の危機を迎えた。
しかし同じ時期、旦那は相談なしで、仕事で独立し、外資系の会社との契約が決まると
その支度金として大金を手にし、妻に『お詫び』としてカルティエのダイヤだらけの指輪を
買ってやったらしい。
そしてまたしばらくして、友人同士で旅行に行った時、
『なんか妊娠しちゃったよ、子供なんてホントはいらないと思ってたけど自分の子だし
何とか頑張って育ててみるよ』と言っていた。
そして出産の日、不安になり旦那に電話すると
『今、電話投票で馬券買ってるから電話してくるな！』
と怒鳴られたらしい。無事出産し、知らせたが会いに来たのは、一週間後だったらしい。
もうこのまま実家にいようかと覚悟を決めていたら、また旦那は大儲けをしたらしく
『銀座にマンション買うから帰って来い』
と言われ、今も歌舞伎座のそばで、子育てしながらセレブ気分を味わっている。
子供は幼稚園に行くようになり、彼女もいろいろあったが良妻賢母。
相変わらず家で旦那は『殿』、彼女はその『女中』・子供は『小姓』のような力関係で保たれて
いるらしい。
『偏屈で呆れる事もあるけど、金はよく稼いでくるよ〜』
と、彼女は明るい。
私は、入籍して３ヵ月ちょっと…
よくわからないがなんか彼女の事が参考になっている。
主人にも彼女の話をよくしている。
『金のない分、小さな幸せ集めて頑張っていこう』とよく言っている。

人生いろいろ…男もいろいろ…それなりに幸せで…もうすぐ披露宴がやってくる

三次会は新婦友人のみとなり、学生時代のサークル仲間を呼び出しなんとか定員になった。
プチ同窓会のような感じとなり、旦那も不在になったところで出た
新婦の本音…
『明日から香港・中国と新婚旅行に行くんだけど、何にも用意出来てない…
ホテルチェックアウトして一回家に戻って荷造りしてから、夕方の飛行機に乗るんだけど…
本当に行くべきなのかな…』
皆、どんより黙り込んでしまったが、結婚４年目の友達が
『とりあえず、会社も休みとったし、お金掛かってるんだし、一人でも行ってきちゃいな。
異国でパーッと憂さ晴らししてきなよ！』
と言われ、皆もなんとか励まし、お開きになった。
その後もらった年賀状には中国に行った時の二人並んだ写真が貼られ、ボールペンで
『なんとか仲良くやっていくことにしました。いろいろありがとう』と自筆で
書き加えてあった。

会社の話ばっかりだったので、少し違う話。
友達が結婚前、準備に疲れ果て言っていた。
『私は結婚がしたいわけでなく、結婚式がしたいだけなのかもしれない』
準備の段階から、友達、その旦那の二人は、両家の両親・親戚の間に入って、つりあい、折り合いを
つけながら、なんとか頑張っているようだった。
しかし挙式前に入籍するにあたり、友達と旦那は決定的な喧嘩をしてしまい、
その後『とにかく式と披露宴はやってその後離婚の話し合いをしよう』
と言う事になっていたらしい。
当日、友達の親類は観光バス２台で上京の一方、旦那側は親戚付き合いが薄いらしく、主に友人が
席を占めている状態だった。
披露宴も新婦側の郷里の民謡や踊りが多く、友達の親戚達は明るく賑やかで本当に祝福にやってきた
感じがした。旦那側は、なんとなく冷めている感じがして、温度差を感じずにはいられなかった。
二次会はカラオケ…しかし旦那の友人達は始まって３０分後くらいには次々とフェイドアウトして行った。
三次会はこの近くの居酒屋、旦那はいつの間にやら街の雑踏に紛れ、行方不明となり。
ようやく繋がった携帯で『飲みすぎで調子悪いのでホテルで寝てる』と言った。

借金の総額を社長は聞かなかったらしい…聞いたところでどうしてやれる訳でもない。
耐え切れず、一番心の拠り所にしていた【罰金】の原因である彼氏に相談をしたところ、翌日から携帯が繋がらなくなったと言う。
そして家にまで、取立て専門の『その手』の業者が来るようになり、卒検で取った休暇以降、家から外に出られなくなった為、欠勤扱いになってしまったようだ。離れて暮らしている母親に相談したところ、とりあえず身の安全を確保し、会社に迷惑がかかる前に退職した方がいいと言うことになり、社長との面談の際も母親に連れられてやってきた。その姿は、精神的に相当参ってしまったようだったが、しかし、母親に付き添われ少し安心しているようだったと言う。
『目も当てられない光景』とはこういう事をいうのであろうか…

１ヵ月ほど前、仮免試験の為、有休を申請していた。工場の構内で車庫入れの練習を熱心にしているのを見かけた。そして最近、卒検をそろそろ受けるので、有休を取りたいと上司に相談し、受けたようだが、不合格となり、翌日も受けたいので、有休延長の申請が届いていたが、結局そのまま一週間休んだままになっていた。そして土曜日の午後、社長の携帯に連絡があり、『退職したい』と言ってきた。卒検の為に取った休暇の間、彼女の身に起きてきた出来事…自分についた常連の客(３０代後半)と付き合っていることが、店にバレた。店の規則で、お客といい仲になった場合【罰金５０万】らしい。それの支払い期限を守らなかったので【罰金５万(一週間につき)】、勤務態度の悪化(遅刻、無断欠勤、店に知らせず同伴・アフターに行く等)による【罰金２５万】…といった具合にあっという間に罰金による借金地獄にハマリ、さらに自分の兄が店にしていた借金(実際はやはり【罰金】の滞納によって膨らんでいったものらしい)を自分の給料で返済する事を承諾させられ、さらには工場での給与まで返済の為に渡していたらしい。

先週末、小さな工場である我社に衝撃が走った。
中卒で入社して、２０歳を超える女子従業員が退職したいと社長を訪ねてきた。
退職理由は…
２年ほど前から、自分の兄が街でホステスさんを勧誘する『キャッチ』の仕事をやっていて、
兄の営業成績の為に、自分が工場の仕事が終わった後、アルバイトで良ければと、ホステスの仕事を
始める事にしたそうだ。
最初は、週数回、工場の休前日に店に出ていたが、やればやるほどお金になるのが、楽しくなり、
最近はほぼ毎日出勤していたそうだ。
以前、母親が病気になり、病院での看病と家での家事と仕事で疲れているという、話は聞いていたが、
完治後、母親は離婚し、再婚、子供達とは世帯を別にしており、父親は家を出て、別の女性と暮らしており、
兄妹は、父名義のマンションに二人暮らしをしているらしい。
現場の上司より最近、勤務中『居眠り』が多くなってきていると報告を受け、『今も、母親の看護等で
疲労しているのか？』と本人に聞くと『大丈夫です、もう居眠りはしません』とだけ答えたという。
最近、金まわりがよくなったのか、髪型や服装、持ち物も派手になり、車の免許を取ろうと教習所にも通っていたようだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　今日はここまで…

本日より、工場の現場に３月に高校を卒業したばかりの男の子が中途入社で『見習い』として入った。
ハローワークの斡旋で、面接にやってきた彼が前職を退職に至った理由は…
４月に板金会社に同期２名とともに入社したが、研修後、同期入社他２名がそれぞれ他の工場へ配属され、
残された彼は、外国人社員と自分の祖父母くらい歳の離れた人しかいない職場で自分の居場所がなく、
通えなくなったと言う。
雇ってもらいたいと思って来ている面接で、なんて事を言ってのける１８歳。

現在、ウチで働いている最年少は１９歳の女の子である。
中卒、１５歳で働く事を決意した女の子は、現在ウチでなくてはならない戦力である。
同期が一人もいない中にポツンと入れられ、口うるさい、年配者に服の着方・髪型・弁当の食べ方・手の洗い方まで注意され、一から見様見真似で、踊りを覚えるように、動きを覚えていく。
親にも怒鳴られ事ないのに、言われなく怒鳴られ、小突かれながら、腱鞘炎・擦り傷・切り傷も絶えず、
冷房も暖房も効かない環境で、いつの間にか過ぎていった４年間であったはずない。
何度も何度も辞めたいと思ったに違いない。今もそう思っているのかもしれない。
でも、毎朝、雨でもカッパを着て自転車で３０分近くかかる道のりを出勤して来れるのは何故なのだろうか。
金の為？体裁？
彼女は『もっと上手くなりたいから』と言っていた。
忙しい時や面倒な仕事の時こそ、その場面に自分の身を置き、経験にしていく。
『休むと腕が鈍る』とも言った。完全に職人になっているのである。
私は、かける言葉が見つからなかった。
職人たちの傍で過ごした彼女の青春…
１８歳の『見習い』クン、貴方は彼女と何が違うのかな…

週明けからの地獄について…
今週は給与の計算業務が主になるはずだった。
加入している業界組合の総会やら全国大会への出席やらで、業務が遅れ気味であったのは
気に掛かったが、年に何回もない、パーティーや親睦旅行に出席できる機会なのである。
帰社後、業務の遅れを取り戻すために、早朝出社・残業でなんとか追いつき、ソフトで作った
給与データを銀行に送信する作業に入った途端、ＰＣの電源が落ちた。
最悪だぁ…
その日のうちに、サポート会社に来てもらうが、成す術なし、データの受付期限まであと一日。
泣いてる暇もなく、違うＰＣにソフトをインストールし、バックアップデータをインポートしてみたが、
基本情報が入っていない為、データのコピーができなかった。
次の日までに新機(今までノートであったがデスクトップにした)を設置セットアップさせる算段をつけながら、久々の徹夜業務へ突入。
夫の励まし夜食をたべながら、何とか４０人分の４カ月分データを入力し終わり朝がやってきた。
そして本日無事総合振込みにて、送金手続き完了。送金料が給振と違って割高なのだが、なんとか予定通りに終了した。
何事もなかったかのように、明日、週末を迎える。
夫孝行しよう。

夕べ、夫が会社帰りにイトーヨーカドーに寄り、お惣菜のコロッケと食パンを買って帰ってきた。
『明日の朝、パンにはさんでコロッケサンドにして食べよう』と言っていた。
一緒に暮らすまで、独り暮らしが長かった夫は、朝食を食べる習慣がなかったのに…
ウチの母親に『朝飯食わない男は稼ぎが悪い』と言われたらしく、無理して食べるようになった。
最近我が家では、朝食にご飯・味噌汁・納豆の『黄金セット』と呼ばれるメニューが出来上がった。
毎朝、決まった時間に食べて、トイレにゆっくり入ってからのご出勤スタイルが確立されつつある。
そんな無理しない程度の努力を始めて数ヶ月目、夫は何年かぶりに昇給したらしい。
『信じる者は救われる』
というお話。

父は、若い頃は野球やゴルフや釣りに出掛けるような活動的な人であった。競馬が好きで死ぬまで続けていたが、給料は全て母に渡していた事だけは評価できる。ギャンブルの上がりと営業上のちょっとしたリベートのようなモノで暮らせる人であった。しかし本当に手のかかる男で、食事は自分の食べたいと思っているものしか食べない。スーツ・ワイシャツはすべてオーダーメイドのモノしか着ない、安いクリーニング屋には出せず、結局は母が毎朝アイロンをかけていた。父が生前、欠かさずやっていた仕事(習慣)は、靴磨きと髭剃り、そして夜になると子供達に『早く風呂に入れ！』と怒鳴りつける事だけであった。

死んでしまった人なのに文句は毎日のように出てくるものだ…　　　今日はここまで

母も父の病気がわかった２０数年前に泣いたきり、父の事で泣く事はなかった。通夜でも告別式でも涙一つ見せずに、むしろ晴れ晴れとした表情であった。
私と弟を育てしながら、入退院を繰り返す父の看病をし、社長不在の会社の体裁を整えるべく、奔走していた。私たち子供は、理由も分からず突然、何週間も親戚の家や近所の知り合いの家に預けられることがあり、でも何となく『ウチ、大変なんだろうなぁ…』と思いつつ、物分かりのいい、病気・ケガも少ない子供になっていった。母は、土日となく薬の時間に合わせて食事の準備をし、週三回の通院の為、４時起きで弁当を作っていた。家事を手早く済ませ、会社にいき、銀行の用事の合間に、開店直後のデパートに行き、地下の食品売り場で朝っぱらから、嵐のように昼・夕食の買い物している様子は、いつしか店内で有名な人物として語られていた。外出しても、父の薬の都合上、６時の夕食に間に合う場所にしかいけなかった。いつも時間と戦っているように見えた。
夫の看病をしながら、自分の父親を看取る為の看病もしていた。４人姉妹なのに祖母を含め、役に立つ女は母しかおらず、母を見ていて、『役に立つ人間とは、使われるだけの人間になってしまうのではないか』と感じていた。祖父の葬式でただ泣いているだけの祖母や叔母達、母だけは社葬なので、気丈に弔問客に接しているのも見てきた。婿養子の父は会社の中でたった一人の味方であった祖父の死後、急激に体調が悪くなっていった。母に何でこんな結婚を選んだのか、問いただすと『親の勧めた結婚だったから』と言っていた。

どんなに裏切られても、ヒドイ目にあわされても、血の繋がりやあるかないか分からない
絆という言葉を信じてみたくなる時がある。
そして『貴方の子供に産まれてきてよかった』と何かの拍子に言ってみたくなる事があるかもしれない。
しかし、そんな事を言ってみたくなる感情を覚えず、２年前、父は亡くなった。
何の遺言も財産らしいものも残さず、この世を去った。
企業の経営者としても、夫としても、父親としても…『向いていない』人だった。
仏様になってしまった人に対し、もう恨み辛みを言う事はできない。でも決して『いい人』ではなかった。
それでも何か父親に語りかける言葉を思い浮かべるとしたら…
『よかったね、みんな幸せになったよ。』であろう。
父が亡くなる前、家族全てが荒んでいた。
家の中も、会社も、全て、最優先事項は、父を生かし続ける事であった。
皆、自分を犠牲にしてよく頑張ってきた。
親孝行は生前、十分過ぎる程してきたし、悔いはない。
思い出してみても本当に自分の事を誉めてやりたい。
結婚も父がいなくなった『今』だからこそできた。
何度となくその後姿に『早く死んでしまえ！』と念じてやった。
それが本当になってしまった時、自分でも不思議なくらい罪悪感はなかった。

今日はここまで

大学を卒業してウチの会社に正式入社した時、漠然と感じていた。
『私は結婚しないな』と。
それは、私が育ってきた環境というか、その時直視しなければならなかった現実がそう思わせたの
だろうが、その漠然とした思いが、だんだん現実になり、思い→決め付け→確信に変化していった。
それなのに…
今年結婚してしまった。
その事に後悔はない、本当によかったと毎日感じている。
当初は入籍のみで済まし、休みが取れたら旅行にでも行って報告ハガキでも作ろうと考えていたが、
入籍前に彼を父の三回忌で親戚たちに紹介した事がきっかけになり、入籍後に挙式・披露宴をする
事になってしまった。
二人の貯金でなんとか出来る会場をさがし、日にちを決め、何軒がまわってみたが、最初に下見に
行った海の見える所に決定した。きっと二人にも第一印象で決めていたと思う。
しかし、結婚式どころか、自分が花嫁姿にになるなんて、結婚を毛嫌いしていた自分なのに、
『ドレスなんて着てもいいのだろうか？』と衣装決めの時にずっと考えていた。
着るつもりがなかったので、どんなドレスがいいなんて思いもつかず、母や彼に勧められ、
何着も着てみたり、『お化粧は？』『髪型は？』『ブーケは？』と次々に私は花嫁になる準備を
していっている。
この歳になって、若い時に決め付けて来た事が覆されることは多々あるが、人生、プライドや慣習に縛られることなく、柔軟な人間であった方が何かとお得…と、若い人に言いたい。

ウチは、１５日締め２８日支払い。
約４０人分のタイムカードを全て点検、勤務明細・勤怠成績・残業集計・
金額変更等を見直し、毎月回している当座貸越で給与資金１０００万円を
銀行に借りに行く。入金を確認し、給与計算ソフトから銀行のＦＢに今月分の
情報を飛ばしてとりあえず終了。
あとは、まったり明細を封筒に詰めてホッチキスでパンパンとめて２５日を待つ。
実際の送金は２８日、一番の得意先からの月末入金の確認をとってから給与送金となる。
当貸の１０００万円は、月末の売上入金で返済する。

つい２年前までは、毎月すべて手渡しであった。
給料日当日、リュックを背負って自転車で銀行に行き、１０００万近くの現金を引き出し、
リュックに詰めて大急ぎで会社に帰る→会社中の窓・ドアの鍵を閉め、事務所中の机に
４０枚くらいの封筒を敷き詰める。→封筒ののりしろに鉛筆書きされた金額をおいてゆき、
今度は１人分ずつ金額を確認、封を締めて行く→デパートの袋を２枚合わせにし、
コード番号順に並べてから入れ、ガムテープで厳重に梱包→時間は毎月変え、社長が梱包された
給料をやはりリュックに詰め、電車で約１時間かけて工場まで持ってゆく。

アナログではあったが、緊張感のある給料日であった。

零細企業の日常の１コマをご紹介してみました。

それではまた…

ぴぴチャに漂着して３年くらいでしょうか？

現在、後厄邁進中。
某都内女子中・高を卒業後、１浪して大学進学、間もなく、バブルが弾け、
女子４大生は超就職氷河期を迎えておりました。
そんな中、自由気ままなキャンパスライフを満喫した後、就職活動してみて、
己の力のなさ、世間知らずさを思い知りました。
某大手生命保険会社より内定を頂きましたが、保険業界でノルマに追われ働く事に
怖気づき、入社前に辞退しました。
その後は、学生時代から続けていたアルバイトを継続しながら、家業の手伝いをしておりました。

家業は、紙加工業。
非常にマイナーな業界ですが、祖父が戦後起業し、祖母・父が継ぎ、現在は母が社長、後には弟が
控えております。
従業員数４０名弱、大手メーカーの下請けが９割を占める仕事内容ゆえ、売上高の乱高下が目下の
悩み。正式に従業員として入社して９年目、現在は総務・経理・庶務に従事。
ひと回り以上も年の差がある女の子を部下に１人だけ持っております。

最後に…
今年３月、２年半付き合った４歳年下の彼と入籍、真夏に挙式・披露宴予定。

とりあえず、今日はココまで…