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どうしようも無く自信に満ち溢れた大人がいた。奴は我々に否定的であった。奴は我々を認めなかった。ゴミの寄せ集めだと嘲笑していた。自分の常識を逸脱した存在を理解できないのは解る。認められないのも解る。だが、だからと言って我々に敵意を現わにするのはどうか。相手にしなければ、興味を示さなければ事態は好転したに違いない。自我を他人に押しつけて人の役に立ったと思うのはただのアホだ。奴はある意味可哀相な人間であったのかもしれない。
追伸。下の女の話は別人の話。最初の女の話の続きではない。
その女は笑いながらも隙を見せなかった。ひとつひとつの仕草にしても完璧である。さぞやモテる事だろう。そんな女は腐る程見てきた。が、しかしあいつは違った。どこか腑に落ちない。どこか計り知れない。底が見えない。何かを欲する訳でも無く離れていく訳でも無い。読めない女。そんな女がいる。人の心が読めるのかと思うくらい人の心をくすぐる。安っぽい気配りならばいらないが何か違う。俺にはどうしようも無い女。どうしていいか解らない女。まだ距離は縮まない。
泣いている女がいた。男達の前で。そして俺にまで悩みを語ってきた。が俺は聞かなかった。するとその女は冷たいと言い放つ。冷たい?違う。俺はお前の涙の意味などに興味は無い。そんな自由に流せる涙に。泣けばなんとかなる、と言うのは通用しない。優しくしてもらいたいのか?俺は神様ではない。万人に優しくできる訳が無い。それを冷たいと言うのなら、それは女の傲慢だ。特別な女じゃない限り気にかけられるのはツレぐらいだ。どうしても冷たいと言いたいならば神様相手に言ってくれ。