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【ぉ父ちゃんの心】
『アニーが今日貰われていくよ!』
アニーが貰われていくと分かって
すぐにしほ丸はぉ姉ちゃんとぉ父ちゃんに連絡をしました
ぉ姉ちゃんは、すぐに仕事を抜け出して帰ってきました
でも
ぉ父ちゃんは
『お見送りなんてどうでもいいよ!(・o・)』
と言って帰ってきませんでした
その日の夜
いつも帰ってくるはずの時間になっても
ぉ父ちゃんは帰ってきませんでした
夜遅くになって
『ただいま』も言わずに帰ってきたぉ父ちゃんは
黙ったまま
アニーの小屋やアニーと一緒に寝ていたボンボンベッドを片付けていました
アニーがどうやって貰われていったか
そんな話をしようと
様子を見に行ったしほ丸は
ぉ父ちゃんのあまりに淋しそうな背中を見て
言葉をかけられずに戻ってきました
その日
結局ぉ父ちゃんは
『もぅ、犬なんか預からないからな!(・o・)』
と、謎の捨て台詞だけを吐いて
寝てしまいました
【さよなら アニー】
ボランティアさんは
3人でやってきました
ただでさえ朝からしほ丸が泣いていて
不安で不安でしょうがなかったアニーは
突然現れた知らない人間に
パニックになりました
いつもならお散歩大好きなアニーなのに
外に連れ出されるのを嫌がって
必死に家の中に戻ろうと抵抗しました
いつもなら目の色変えて飛び付いてくる
大好きな鳥肉で釣ろうとしても
嫌がって食べようとしませんでした
結局、3人がかりで強引に連れ出して
無理矢理、車に押し込み
アニーは連れていかれました
『ばいばい』
そんな短い一言すらも
伝えることができぬまま
アニーを乗せた車は、遠い里親さんのところに行ってしまいました
しほ丸の手には
アニーにお土産で渡そうと思っていた
鳥肉だけが残りました
さよなら…
心にぽっかりと開いてしまった穴から
涙がたくさんたくさんこぼれてきました
【アニーのいなくなる日】
『今日、アニーちゃんを引き取りに行きます』
ボランティアさんからの突然の電話
ちょっと待ってよ!急過ぎるよ!
ぉ父ちゃんもぉ姉ちゃんも
何にも知らずに会社に行っちゃったよ
アニーのさよならの日は
アニーの好きな餌をいっぱぃあげて
アニーに新しい首輪をつけてあげて
家族みんなでお見送りしようねって…
そう言ってたのに…
4時間後にアニーはいなくなる
買い物にも行けなぃ…
1分1秒でも長く
アニーのそばにいたぃから…
ぉ姉ちゃんとぉ父ちゃんに連絡をしてから
アニーを家の中に入れてあげた
アニーは、なんだかよく分からないけど
家にあげてもらったもんだから
初めは、大喜びではしゃいでいた
でも
そのうち、急にショボンとしてしまった
『あんたが泣いてるから、アニーが不安そうぢゃなぃ』
ぉ母ちゃんにそう言われて
しほ丸は無理矢理明るく振る舞うようにした
でも
やっぱりダメ
どんなに笑顔で話しても
どんなに明るく振る舞っても
涙が勝手に溢れてくるんだ
結局、アニーとしほ丸は
無言のまま…
ただただ、そばにいた
時々、アニーは心配そうな顔して
しほ丸の涙を舐めてくれた
ごめんね アニー
本当は、お前が一番不安なはずなのに…
【星空の下の約束】
アニー…
お前
もう、ずっとここにいていいよ…
パパがちゃんと最後まで面倒見て
六甲動物霊園に入れてあげるからさ
ぉ父ちゃんはアニーの頭を撫でながら
こんな約束をしてました
『ぉ父ちゃんアニー飼っていいの(・o・)
』
初めての預かり犬アニーが
可愛くて可愛くて
手放したくなくなってしまっていたしほ丸は
そんなぉ父ちゃんの言葉が嬉しくて嬉しくて
飛び跳ねて喜びました
アニーも、そんなしほ丸を見て
何にも分かってないくせに
ピョンピョン跳ねて喜びました
星空がとっても綺麗な夜でした
でも
そんな満天の星空の下で交わされた
秘密の約束は
守られることはありませんでした
翌日の朝
突然、電話が鳴りました
本当に本当に突然の電話でした
『今日のお昼に
アニーちゃんを引き取りに行きます』
ボランティアさんから
里親が見つかったとの連絡でした
【豚の丸焼き】
朝、起きると
玄関に豚の丸焼きがころがっていました
ていうか
リラックスし過ぎアニー
大形犬の仰向け寝は
ちょっと引いてしまうくらぃ無様
でも
うちに来た頃の
ガリガリ臆病アニーを思うと
そんな姿も
うれしいんだなぁ
【車に執着する犬】
子犬の茶々は
お散歩特訓中です
おしっこは、まだ上手にできなぃんだけど
紐は引っ張らないお利口さん
でも
茶々には、おかしな癖が1つあります
車への異常な執着
車が通ると
茶々は必死で車に飛び掛かろうとします
車が行きすぎても
茶々は、ずっとずっと車を追い掛けようとするのです
バイクが通っても
自転車が通っても
バスが通っても
反応はしません
でも
車だけは、気が狂ったように追い掛けるのです
しほ丸には忘れられない光景があります
小学校の帰り道
目の前を通り過ぎた真っ白の車が
急に減速したかと思うと
ドアから犬が落ちてきた
そして
その車は
そのまま一度も止まることなく
走り去っていった
茶々…
まさか、お前も…
そうやって捨てられたのか?
ことばの話せない茶々は
何も語らず
今夜も車を追い掛ける
【ボンボンベッド】
夜風がとっても気持ちよかったので
しほ丸とぉ父ちゃんは
お庭にボンボンベッドを並べて
夕涼みをしてました
すると
臆病アニーがやってきて
恐る恐るボンボンベッドに手を掛けて
こっちを見てくるんです
『私も、あがっていぃですか?』
まるで、そう聞いてきてるように…
『いいよ!あがっておいで!(・o・)』
ぉ父ちゃんがアニーを引っ張りあげてやると
アニーは、ぉ父ちゃんにピッタリひっついて寝ました
そして
そこがとっても気に入ってしまったのか
アニーは、ボンボンベッドから降りなくなってしまいました
しほ丸が、おもしろがって
アニーを引きづり降ろそうとしても
アニーはベッドに張りついたまま
ビクとも動きません
『あわび』
うん、まるで『あわび』です
でも
人間と一緒ぢゃなぃと
ボンボンベッドには上らないんだよね
可愛いアニー
その日から
しほ丸とぉ父ちゃんは
夕涼みが日課となりました
【目覚めの朝】
主従関係を間違えてしまっていた可哀想なサンタへの教育は
しばらく続きました
サンタは、みんなに愛され…怒られました
そんなある朝のこと
サンタの様子を見に行ったしほ丸は
一瞬、我が目を疑いました
あの目付きの悪い、鬼瓦サンタが
昨日の夜まで、寄るな触るなだったひねくれサンタが
キラキラと降り注ぐ朝日の下で
子犬のような
無邪気な愛しい目で
こっちを向いて座っていたのです
『天使が舞い降りてきた』
漠然と、そう感じました
『サンタ(・o・)
』
思わず駆け寄るしほ丸に
サンタも
うちに来て初めて尻尾を振りました
何がどういったきっかけでサンタが変わったのか
今だにわかりませんが
その日から
噛み犬サンタは噛まなくなりました
近づいただけで言っていた『ガウゥゥ』も
言わなくなりました
そのかわり
サンタは人間と遊ぶようになりました
サンタは人間に甘えるようになりました
【ルビーの居場所】
年寄りルビーは1日中歩いてました
とことことこ
とことことこ
リビングからダイニングへ
ダイニングからキッチンへ
キッチンから、またダイニングへ
尻尾をお尻に巻き込んだまま
ひたすら徘徊するんです
『この子、ボケちゃってるかもね』
みんな、そう思ってました
そんな日がしばらく続いたある日
ルビーの『とことこ』がピタッと止まりました
猫の寝床の前です
ピタッと止まったルビーは
何を思ったか、猫の寝床から
乱暴に毛布を引っ張りだし
猫用の小さな小さな籠に入りました
そして、うちに来てから一度も熟睡していなかったルビーが
初めて『ズーピーズーピー』と、いびきをたてて寝たのです
そうかルビーは落ち着ける場所を探してたんだ
(・o・)
にしても
ビーグル犬のルビーには
その籠…
ちょっと小さすぎやしませんか
小さな籠を
お尻にはめ込み
体の半分以上を床に投げ出し寝ているルビー
お前…本当にそこでいいのか
何日も何日もかけて探したオアシスが
そんなちっぽけな籠でいいのか
そんな人間達の声をよそに
年寄りルビーは幸せそうにズーピー
一方
寝床をとられて
完全にお怒りモードの猫は
しばらく家出してしまいました
【おあずけ特訓】
掃除機アニーに『おあずけ特訓』開始
アニーの目の前に餌を差し出し
『おあずけ(・o・)』
ガン無視で餌に突進してくるアニーを
ぐぃぐぃ押し返す
どうやったら貰えるのか
アニーは一生懸命考えてるみたぃ
覚えたての『お手』やら『おすわり』やらをやってきて
それでも貰えないので、
今度は『ワンワンワン』
色々、試行錯誤をしてくれてるんだけど
どれもこれも違うんだなぁ
こんなことを延々繰り返すこと2日間
とうとうアニーは、餌を諦めた
よしゃ!今がチャンスだ!
とばかりに
『よし!(・o・)』
と餌を差し出す
が
ここで予想だにしなかったことが起こった
なんと
餌を食わない
プィッと後ろを向き
怨めしそうな目でこっちを見てくる
こいつ…
スネやがった(・o・ノ)ノ
もぅ、そこから何をしてもダメ
『アニーちゃ〜ん食べてもいいんだよぉ
』
とか、おだててもプイッ!
『食え!(・o・)』
と口に押し込んでもペッ!
終始、憎しみの眼差しを向け
完全ひねくれモード
ダメだ一時中断
【アニーのお姫様教育】
アニーを見ていると
映画『マイ フェア レディ』を思い出す
乞食のアニーは
お姫様教育を受け
素敵なレディになる
賢いアニーは
あっという間に
おすわりとお手を覚えました
しかし
アニーにはどうしてもできない事がありました
『おあずけ』
そうです、アニーは
掃除機犬
餌を与えると
ブオォォォオオ
なのです
さて、
掃除機犬のその後は如何に
【初めての夜】
アニーは寝ませんでした
とっても疲れているはずなのに
決して横になろうとしませんでした
あまりに激動する環境が
不安で不安で仕方なかったんだと思います
そんなアニーに睡眠をとらせようと
しほ丸達は、早いめに布団に入ることにしました
電気を消して
テレビも消して…
やがて
しほ丸家は、静寂に包まれました
深い深い夜です
と、その時です
突如、闇を突き破る物音!
ドンガラガッシャーン
ななんだ
(・o・ノ)ノ
アニー何をしでかした
慌てて飛び起きた家族は
それぞれの寝室から飛び出し
アニーの元に駆け寄りました
どうしたアニー
そこにあった光景は
無残に壊された犬小屋と
その下でペシャンコに潰れた
臆病者 アニー
自分のしでかした事なのに
ワナワナと震え
完全降参状態のアニーの姿は
不謹慎にも
ちょっとおもしろかったりしました
【ひねくれ犬 サンタ】
さてさて、こいつをどうしたもんか
こんな噛み犬なんか
貰い手ないぞ
しかも
裸ん坊のぶっさいく
いいとこなんか1つもなぃ
とりあえず
主従関係だけは教えなくちゃ
というわけで
ちょっとかわいそうだが
我が家では、こんな決め事をした
1 余計にヒネくれるから体罰は禁止
2 サンタが噛んだら、おもいっきり恐い目に合わせること
3 サンタが呼んでも相手をしないこと
4 サンタの要求は無視すること(散歩以外)
5 サンタの餌は必ず人間の手からあげること
6 散歩の時は、人間の後ろを歩かせること
8 暇さえあれば、仰向けにして押さえ付けてやること
そして
8 その他は、おもいっきりかわいがってやること
まぁ、こんなことしたって
サンタには全然どうでもいいことなんでしょうけどね
だって
サンタは
『独りで生きること』を覚えてしまった
悲しい犬だから…
【耳が聞こえない】
まさかね(・o・)
だってだって、元気に走り回ってるぢゃん
だってだって、床叩いたら寄ってくるぢゃん
でも
茶々は、呼んだだけでは来ない
茶々は、餌を落としても気付かない
茶々は、怒ってもびっくりしなぃ
茶々は、犬に吠えかかられても相手にしない
茶々は、芸を覚えない
茶々のおかしなところは
全て全てが1つの結論に
結ばれていった
『茶々は耳が聞こえない』
信じたくない
信じてやりたくない
もし、この事実が確定してしまえば
この子のプロフィールに
決定的な欠陥を付け足さなくてはならなくなるから…
それがどういう意味を持つのか
里親探しの競争率は激しい
近畿圏だけで、百匹以上の犬が里親を探している
どうか、こちらの思い違いでありますように
しほ丸は、願いを込めて後向きの茶々に叫ぶ
『メエェェエエ(・o・)』
あしほ丸得意のヤギのモノマネです
反応なし
茶々の好きなおやつの袋をガサガサしてみる
反応なし
『茶々は耳が聞こえない』
そんな揺るがない事実が
しほ丸一家と
まだまだ幼い茶々に
降り掛かってきた
【馬鹿な犬】
『おすわり!』
『おすわり!』
『お!す!わ!り!』
茶々がやってきたその日
しほ丸が会社から帰ると
我が家では、
『おすわり!』の怒号が飛び交っていた
『おたくら、何やってますの((((・_・;)』
『この子、バカなんよ…何回やっても、おすわり覚えないんよ』
『おばぁちゃんなんちゃうの?(・。・)』
『いや、歯から見る限り、相当若いよ』
ん〜
普通、おすわりなんて基本的な芸は
数回やりゃ、ある程度はできるようになるはず
試しに、しほ丸も挑戦してみる
ん〜全く無反応
その時、ふと思い出した
昔、テレビで見た『耳の聞こえない犬』
パッと見は他の犬と同じだけど
よく見ると、どこか挙動不振だった
茶々と同じだ
『こいつ、耳聞こえないんちゃうの(・o・)』
半分、冗談で言ったその一言
それが少しずつ確信へと変わっていくとは
その時はまだ、信じられずにいた
【わんわんビーグル 吠えた!】
吠えない犬 ルビー
差し当たって問題なく
静かに平穏に(1事例を除く)
時は流れ…
やがて恐ろしい前評判なんか、
その存在すら忘れかけたある日
ルビーが初めて粗相をしました
えぇ、家中におしっこバラ巻きやがりましてね
その後片付けの間
おしっこたれルビーを外に出したんです
んだら
ルビーのバカ!
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
3分ギブ(_゚゚)
あぁ…こりゃノイローゼにもなりますわ
『家飼いできる方に限ります』
里親募集の欄に
1つ項目を増やしました
【わんわんビーグル来たる】
『吠えて吠えて引き取り手のいなぃビーグルがいるんですよ』
ボランティアさんからの電話
『吠えるって、どんくらぃ吠えるんです?((・_・;)』
『いやぁ、ほんと1日中けたたましく…ノイローゼになるくらぃです』
どんなんやねん
そんな恐ろしい前評判と共にやってきた
わんわんビーグル
さて、いつ吠えだすか!(`・_・)
吠えたら、すぐに叱ってやろうと
しほ丸一家で、今か今かと待ち構える
30分後
鳴きません
1時間後
まだ鳴きません
6時間後
まだまだ鳴きません
1日後…2日後…
鳴きません
1週間経っても
やっぱり鳴きません
なんだなんだ?
なぜ鳴かない?(゚_。)
鳴け!こら!(・o・)蹴
…
何をしても
彼女は、しっぽフリフリ
なんだか分からんが
結果オーライ(?)
【アニーがやってきた日】
優しい目の女の子がやってきた
玄関に頼りなさげにへたりこみ
不安げに見上げるその顔は
彼女の重い重い人生を物語るようで…
この子は、楽しい思いをしたことがあるのか
この子は、心から愛されたことがあるのか
幸せを噛み締めたことがあるのか
優しい優しいその目の奥に
悲しい思い出がたくさんつまっているようで
思わず抱きしめた
伝えたいことがあるんだ
君は、幸せになる
君は、今…
明るい未来の入り口にいるんだ
言葉の分からない君に
いくら説明しても無駄なんだろうけれども
君を抱きしめるこの腕から
この鼓動から
少しでも安らぎを感じてほしかった
必ず幸せになる
必ず幸せにしてやる
【掃除機犬アニー】
大人しくっていい子なんですけどね
餌を見せると人間(犬)変わるんです
なんせ、うちに来たときは骨川筋子ちゃんだったもんで…
相当の飢えを味わったんでしょうね
餌鉢にドッグフードを入れてやると
ムシャムシャでもなく
ガツガツでもなく
ブオォォォォォォオオオオ〜
って食べるんです
改め
吸い込むんです
どこがどうなって
どういう仕組みで吸い込むのか
まったく分かりません
可愛いっちゃ可愛いんですが
ちょっと気味が悪いので
直すことにしました
【サンタが我が家にやってきた】
なんだか可愛くない犬がやってきた
シーズーらしぃが
裸ん坊で、よくわからん
ブッチョウ面で偉そうなその犬は
おやつをあげても
おもちゃをあげても
知らんぷり
それどころか
近づいただけで
『ガウルルル』
すんごくすんごく可愛くない!ρ(`・o・)
あまりに腹が立つので、
寝ているお尻を足でコツいてみる(・。・)エィ
『ガゥ』
(・o・ノ)ノ
恐いです!
この犬すごくすごく恐いです(p_q)
そんなに人間が嫌いなら
勝手にしやがれ!(・o・)
とか思いつつ
ちょっかぃかけてしまうのが
犬好きの悲しい性
恐る恐るちょっと離れたところで
寝転んでみる
大丈夫。
何で、犬にこんな遠慮せなあかんねんな
まぁ、いいや
とりあえず
ゆっくりゆっくり仲良くなろう
再びボランティアさんに保護されたサンタは
トリマーさんのところに行き
体に絡み付いたうんちまみれの長い毛を
カットしてもらいました
見るのも恐ろしいオカルトサンタから
なんともマヌケな裸ん坊サンタが現れました
環境が変われば、また可愛いサンタに戻ってくれる
そう信じて
サンタは、おばぁちゃんの里親さんに引き取られました
でも
やっぱりダメでした
サンタの心は
ボランティアさんが考えてたよりも
ずっとずっと固く閉ざされてしまっていたのです
おばあちゃんに貰われていったその日の夜
サンタはおばぁちゃんを噛みました
おばぁちゃんの手から、血が出るほど
強く強く噛みました
サンタは、ボランティアさんなところに返されました
『私が酔っ払ってペチペチ触ったから…ごめんなさぃ』
おばぁちゃんは何度も謝りました
後になって思うのですが
おばぁちゃんはサンタをかばって
嘘をついたんだと思います
おそらく、サンタは理由なく噛みました
撫でてもらってる最中に突然噛みました
でも、本当のことを言うと
サンタが保健所に連れていかれるので
おばぁちゃんは嘘をついたんでしょう
『嫌がる事をしたら噛みます』
そんな誤った情報の元に
サンタは、預かりボランティアしほ丸家にやってきました
【サンタの経歴4】
炎天下のお庭につながれることになったサンタは
その存在すら忘れられていきました
デブっちょサンタは
ガリガリサンタになりました
真夏の直射日光の下で
水も貰えず
じっと我慢してました
サンタは、人間が大嫌いになりました
サンタは噛むようになりました
そんな時、ボランティアさんが家庭訪問に来ました
真夏の炎天下の庭で
水も貰えず
オバケみたぃになってしまったサンタを見て
ボランティアさんはサンタを 連れて帰ろうとしました
女の子は、泣きました
その時、やっとサンタを思い出したんでしょう
女の子は『ちゃんとする』といぅ約束で
もう一度、サンタといるチャンスを貰いました
でも
もぅ手遅れでした
サンタは
もぅ可愛いサンタではなくなっていました
人間のことが大嫌いで
女の子にも懐かなくなってました
結局、サンタはボランティアさんに保護されることになりました
つづく
【サンタの経歴3】
小学生の女の子に引き取られたサンタは
とっても可愛がってもらいました
玄関に『サソタ』と書いた立派な犬小屋を作ってもらい
女の子が首輪にマスコット付けてくれました
でも、
小学生の女の子には、限界がありました
まだまだ子供の女の子は
少しずつ、サンタの散歩がめんどくさくなりました
当たり前のことです
子供には他にも楽しいことがいっぱぃあるんですから
可愛くなくなったわけじゃなぃんだけど
少しだけ楽しいことが勝ってしまっただけです
サンタは、誰にも遊んでもらえなくなり
うんちまみれになりました
汚いサンタは、お手入れもしてもらえなくなり
毛も伸び放題になりました
サンタの毛が地面を引きずるくらいまで伸びた頃には
サンタの毛には、うんちや泥が絡み付き
もぅ、誰にも触ってすらもらえなくなりました
女の子のおうちは
そんなサンタを見るのも嫌になったんでしょうか
サンタは、涼しい玄関から炎天下の庭に移されました
つづく
【サンタの経歴2】
知らないおばさんに捨てられ
再び警察に戻ってきたサンタは
2週間の期限が過ぎ
保健所に送られました
仕方がないことです
『捨て犬』は殺処分される決まりなんです
何にも知らないサンタは
楽しかった警察から
窓もなぃ真っ暗な部屋に入れられました
ここで殺処分を待ちます
自分が何故ここにいるのか
自分はこれからどうなるのか
サンタには不思議だったでしょうね
ところが
サンタはラッキーボーイでした
サンタがいよいよ明日殺処分されるという日
サンタの前にボランティアさんが現れたのです
可愛いサンタを不憫に思った警察官が
ボランティアさんに連絡してくれたのです
サンタはボランティアさんが見つけてくれた里親さんに
引き取られることになりました
小学生の女の子のいるおうちです
つづく
【サンタの経歴1】
2年前のクリスマスの日
1匹の捨て犬が警察に保護されてきました
とっても人懐っこく
芸達者だったその犬は
警察官の人気者でした
クリスマスにやってきた犬なので
名前はサンタ
保健所に送られるまでの2週間
サンタはとっても可愛がられて
サンタも警察が大好きでした
そんなある日、一人のおばさんが現れ
『私がこの子の里親を探してあげる』
と、そう言ってサンタは知らないおばさんに引き取られていきました
『よかったね!幸せになれよ!』
警察は、喜んでサンタを見送りました
ところが
数日後、サンタは警察に
1人で戻ってきました
おそらく、里親が見つけられなかったんでしょうね
おばさんは、どこかにサンタを捨てたのです
サンタは、再び人間に捨てられたのです
保健所に送られるとも知らずに
楽しかった警察に戻って来たのです
つづく
4代目【茶々】
ラブラドールミックス
茶
推定7〜8か月
雄
耳が聞こえない
一昨日、やって来たばかり
こいつのドラマはこれから
体は大きいが
まだまだ赤ちゃん
まだまだぉバカちゃん
頭や足の大きさから
まだ大きくなります
んで
まだまだ賢くなります
躾けはこれから
お散歩と
お手と
伏せと
餌の貰い方と
遊び方と
色々、教えなきゃいけないことが盛り沢山
ちなみに『おすわり』は
すぐに覚えました
もちろん手話でね
立派な紳士にならなぃと
貰ってもらえませんよ
3代目【ルビー】
ビーグル
黒茶白
推定10〜12歳
雌
白内障(軽度)
なんだか、すっとぼけた犬
一度、随分と飢えたらしく
餌に対する執着がすごぃ
食う食う食う!
んで
吐く
変なヤツ
顔はとっても美人なんだけど
性格もとってもかわいぃんだけど
バカなんだな…
我が家に一番長期間、居座った子です
2代目【サンタ】
シーズー
黒
推定3〜4歳
雄
噛みます
人間なんか大嫌い
目付きも悪く
愛想もなぃ
人間に近づいてくるのは
サカリつく時と
餌もらう時くらぃ
その他は、
ずっと背中向けて寝てる
触るとガブッ
怒っても無視
かわいくなぃ!
『早くどっか行ってくれ』
これが正直な気持ち
でも、後にこいつが一番のドラマと感動を我が家に与えていくことになった
詳細は、また今度
初代【アニー】
ゴールデンレトリバー
推定7歳
雌
声帯手術済
しほ丸が初めて出会った捨て犬
放浪期間が長かったのか、骨と皮
みすぼらしくて、お散歩に連れて歩くのが、ちょっと恥ずかしい
人懐っこくて大人しい
優しい顔の美人さん
毛色が素晴らしく
大きさも小振り
はっきり言って、高く売れる犬
お散歩に慣れていない
足腰が弱い
頭はいいのに、芸が1つもできなぃ
何度も出産を繰り返した痕跡
そんなに吠えるワケでもないのに、声帯手術
ボランティアさん曰く
元ブリーダー犬かと
まともなブリーダーさんも多い中
いい加減なブリーダーも多いのは事実
狭い檻の中で、
餌だけやって
子供たくさん産ませて
使えなくなったらポィ
そんな環境の中に育ったであろう彼女に
『幸せになってほしぃ』
そんな願いを込めて
ミュージカル『アニー』より
『アニー』といぅ名をつけました
えっとですね
しほ丸、ここ1年ほどボランティアという名のもとに
趣味で、犬預かってます
ちなみに、預かる犬は
俗にいう
『捨て犬』
ってやつです
保健所で殺される犬を
本物のボランティアさんが引き取り
里親さんが見つけるワケですが
その里親さんが見つかるまでの期間
しほ丸が預かります
期限は3か月
多頭飼いはしません
そんなこんなで
我が家には、今までに計4匹の『捨て犬』達が
やってきては、去っていきました