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【執念深い犬】
サンタが噛まなくなって1か月ほど経ったころ
サンタは、また噛みました
被害者は
ぉ父ちゃん
ただ、今回は理由がありました
ぉ父ちゃんに危ないことされて
恐かったから噛んだ
そんな立派な理由がありました
でも、どんな理由があっても噛むことは許されない
だから、『サンタごめんね』と思いながら
ぉ父ちゃんはサンタを厳しく叱りました
しかし!
サンタは、こちらが思っていたより手強かった
一旦、服従して大人しく叱られていたようなので
すっかり油断して
『サンちゃ〜んかわいちょうにね〜
(・o・)ヨチヨチ』
と、ご機嫌とりにいったしほ丸の鼻に
ガブッ
イダィ(p_q)
なんで、しほ丸噛むねんρ(`・o・)
しほ丸、完全無実やんけ
八つ当りもいいとこだわ
ちなみに
サンタはその日から1週間ほど
ぉ父ちゃんにだけ『ガウルルル』する子になりました
ほんと
男のくせに執念深い犬(・。・)
【コチョウラン】
我が家には
ぉ父ちゃんの宝物があります
大量のコチョウラン
ぉ父ちゃんが20年以上少しずつ株分けを繰り返し
大切に大切に育ててきた小さな小さな花たちです
毎晩、ピンセットでナメクジ取りをして
台風なんかの日には、コチョウランが心配で
会社から飛んで帰ってきます
うちらには、まったく理解できなぃものですが
とりあえず、お父ちゃんには何より大切なものらしぃです
そして
そのコチョウランを壊滅させたのが
何を隠そうルビーです
しほ丸が、お出掛けから帰ってくると
ルビーがコチョウランの鉢に埋もれ
楽しそうに食い荒らしておりました
『だはははは(・o・)』
えぇ、結構笑える光景でしたよ
まぁ、笑っているのもなんなので
『ルビーがコチョウラン食った(・o・)』
と、とりあえずお父ちゃんに連絡しときました
すると
血相変えて帰ってきましたわ
仕事抜け出して
すっかり、ぶちギレると予想してましたが
当たり処がないもんで
大人しく片付けておりました
ルビーよ
きっと、もぅお父ちゃんには可愛がってもらえないかもしんなぃけど
あきらめなさいねヨシヨシ
そんな楽しいルビーとの思い出です
【虐待の傷跡】
サンタは、怒ってもまったく動じない
けっこう強めにポカンしても
ケロッとしてる
こいつ、いぃ度胸してやがる(・。・)
ところが
ある日、サンタとジャレついて遊んでいた時のことです
サンタのアホが、あまりに強く噛み付いてきやがりまして
『アイタ(`・o・)ノ』
と、思わず大きく手を振り上げてしまったのです
その時、サンタが見せた反応は
しほ丸にとって、忘れられない光景となりました
手を振り上げられたサンタは
遊ぶのをピタッと止めたかと思うと
ガタガタ震えながら
人間の一番喜ぶポーズをして
聞いたことのない鳴き声を喚くのです
『キャワァァァワワンキャワァァァワワン
キャワァァァワワン
』
まだ、何にもしてなぃのに…
手を振りかざしただけのしほ丸の顔を
必死で目を見開いて見つめたまま…
その目は
攻撃の目でもなく
抗議の目でもなく
恐怖におののく目…
正直、犬の命乞いなんて
その時、初めて見ました
そうか…そうだったのか…
サンタ…お前は
痛みを感じない犬なんかではぢゃなく
いい度胸している犬なんかでもぢゃなく
普通の犬が普通に叩かれる痛みなんかよりも
ずっとずっと痛い痛い恐怖を知ってしまってたんだね
【わんわんクラブ】
しほ丸のご近所では
『わんわんクラブ』たるものがあります
午後3時になると
一部のクラブメンバーが集まり
みんなでお散歩
わんわん大行進が始まります
茶々も特別非公式会員として
仲間に入れてもらえることになりました
お友達がいっぱぃで大喜びの茶々
しかし、その様子がおかしくてしょうがない
その日のメンバーは
チワワが1匹
ロングヘアーダックス2匹
シーズー1匹
コッカスパニエル1匹
みんなお上品な血統証付きの紳士淑女
茶々だけ、スットボケの雑種
しかも、子犬といっても
誰よりも図体の大きな茶々は
結構、迷惑がられていました 笑
そんな雰囲気など、まったく理解してなぃ子犬の茶々は
それでも、みんなに遊んでもらおうと
いろんなわんちゃんに飛び掛かっては
『ギャウゥウ』と叱られて…
飼い主さん達の笑いを一身に集めてました
なかなか、いいセンスしてますよ彼
今度は、大きな犬もいる時に参加しようね♪茶々
【手加減の分からない犬】
人間と遊ぶの大好きな
やんちゃ坊主サンタは
一日中、人間の足にジャレついています
それだけなら、たいして問題なぃんですが
サンタの場合…
そのジャレつきが痛いのなんの
足に絡み付いて、ガジガジ噛み付いてくるんですが
内腿なんか噛まれた日にゃあ
そりゃもぅ飛び上がるほどです
アイタタアイタタ
(・o・ノ)ノ
飛び上がりながら痛がる人間の姿が
これまたサンタにとっては
おもしろくてしょうがなぃようでして
日に日にエスカレートしていくジャレつきに、ほとほと手を焼いておりました
まぁ、サンタにしては手加減してるつもりなんでしょうけど
とりあえず、よその子供にこれをやられてはいけなぃので
教育です(`・_・)σ
サンタが痛いことをしてきたら
同じくらい痛いことを仕返す
よく犬社会である教育を真似してみました
ところが
痛がるどころか
余計に興奮して、さらにガジガジが強くなってしまったサンタ
はぃ、全く逆効果
サンタは痛いのを感じないのか?(゚_。)
【サンタの芸】
サンタは、もともとちゃんと飼われていた犬なので
始めからちゃんと躾けができています
トイレトレーニングも完璧ですし
『おすわり』も『お手』も『待て』も始めから完璧です
そんな中でも
サンタが一番得意の芸は
俗に言う『ちんちん』
シーズーのお尻の大きさをうまく利用して
素晴らしく安定した『ちんちん』を披露してくれます
サンタは、『ちんちん』をすれば人間が一番喜ぶのを知ってます
おやつを貰う時は
何も言われなくても
『ちんちん』します
と、ここまで書いたのはいいのですが
『ちんちん』『ちんちん』と連呼してる自分が
ちょっと恥ずかしくなったので
この辺で
【うちにいた頃のアニー】
http://i.tls.org/p/pipic/p.cgi?p=cdCk2mMiN1xxoJ1
拾われたときに
毛が絡まっていたので
ザンギリカットにされてます
【アニーからの便り】
アニーが突然行ってしまったあの日から
しほ丸の心にはウヤムヤが消えませんでした
しほ丸はアニーを裏切った
アニーは、人間からの2度目の裏切りを
どう感じたんだろう…
一度は捨てられて
勇気を出して、もぅ一度信じたしほ丸にも
また手放され…
ひょっとして
アニーは、もぅ人間を信じるのをやめてしまうんぢゃなぃか
そんな不安が残ってました
そんな日が1週間ほど経った頃です
ボランティアさんを通じて
アニーの里親さんから便りが来ました
内容は
アニーが、貰われていった日から2日間ごはんを食べなかったことや
先住のわんちゃんとは、うまくやってることとかでした
そして
最後にこんな言葉をいただきました
『今では、昔からいるような顔して、ほんと堂々たるものですよ 笑』
へぇあの臆病アニーがね(・o・)
なんだか、心に残されたウヤムヤが
一気にスカッと晴れました
いつも、どこか遠慮深げだったアニーが
今では
昔からいるような顔して?笑
へぇ〜(・o・)
『アニー、幸せそうだってよ(・o・)』
なんだか、とっても嬉しくなって
思わず、隣ででふて寝中の可愛くない犬(サンタ)をこつきました
『ガウッ』
(・o・ノ)ノ
【事件です】
ピンポンピンポンピンポーン
玄関のチャイムが、けたたましく鳴る
インターホンで出てみると
尋常じゃない叫び声が…
『お、おたくの犬が
首吊ってます』
はぃ?
首吊ってる(゚_。)
なんのこっちゃと思い、
玄関から出てみると
おぅ(・o・ノ)ノ
ほんまに首吊ってるぢゃん(_゚゚)
外に紐でつないでいた茶々が
玄関から道路に飛び降り
宙ぶらりん
通りがかりの人に
首が絞まらないよう
必死でお尻を押さえてもらって
なんとか生きておりました
結局、その人にも助けてもらい
茶々救出
ご迷惑おかけしました ごめんなさぃごめんなさぃ(._.;)
平謝りの家族をよそに
当の本人は
なんだかテンション上がってしまったようで
大はしゃぎ
命の恩人が帰ってからも
まだまだハイテンションの茶々に…
あまりに腹が立つので
頭こついておきました
『こりゃ(・o・)』
シッポフリフリ
【アニーの里親さん】
アニーの引き取られていった里親さんは
ゴールデンレトリバー大好きの老夫婦です
犬が好きで好きで大好きなあまり
趣味でドッグトレーナーの資格までとってしまったくらいの愛犬家です
犬用に広い芝生のお庭を作り
ちゃんと柵もつけて
放し飼いにしてくれるそうです
最近、2匹飼っていたゴールデンのうち1匹が死んでしまい
ご自身の年令を考えた上で、
敢えて新しい子犬を飼わずに
大人のアニーを飼うことにしたそうです
ちゃんと自分が元気なうちに面倒を見れることを考えての決断だそうです
お庭には、あちこちに蚊取線香を吊してくれていて
あちこちに水飲み場と日陰も作ってあるそうです
トリマーの資格はなぃけど
トリミングが上手で
ご近所のゴールデンはみんな、そこのおばさんがカットしているそうです
アニーが行く前から
ちゃんと道具も揃えてくれていました
アニーがいなくなって、しほ丸はとっても悲しいけれど
そんな里親さんのところなら
アニーは、きっと幸せに可愛がってもらえるだろうね
【バカ犬】
しほ丸の家の玄関は
道路から階段を上ったところにあります
家族が外から帰ってくると
大概の犬は
玄関から道路を覗き込んでお出迎えしてくれます
ところが
バカ犬ルビーだけは違いました
しほ丸が外から帰ってくると
ルビーは玄関から
落っこちてきました
いやいや、まぢで
しかも
結構、高さあるんですよ
人間でも飛び降りれないくらい…
死んだな
そぅ思ったくらぃですから
結局、謎の自殺を図ったバカ犬ルビーは
鼻の頭と
肩を擦り剥きました
【サンタ人形】
人間大好きになったサンタは
おもちゃも大好きになりました
その中でも
サンタが気に入ったおもちゃといえば
サンタ人形
マクドナルドで貰ったサンタそっくりの犬のぬいぐるみです
サンタは、サンタ人形が自分に似てると
知ってか知らずか
ブンブン振り回し
ガジガジ噛んでます
お散歩に行くときは
いったん玄関まで行ってから
慌ててサンタ人形を取りに戻ってきます
そしてサンタ人形をくわえたまんま散歩に行くのです
しかも、サンタは必ず
最初の電信柱でサンタ人形を落っことしてきます
なぁんか人間の子供みたぃだなぁ
へんてこりんな犬
【ぉ父ちゃんの心】
『アニーが今日貰われていくよ!』
アニーが貰われていくと分かって
すぐにしほ丸はぉ姉ちゃんとぉ父ちゃんに連絡をしました
ぉ姉ちゃんは、すぐに仕事を抜け出して帰ってきました
でも
ぉ父ちゃんは
『お見送りなんてどうでもいいよ!(・o・)』
と言って帰ってきませんでした
その日の夜
いつも帰ってくるはずの時間になっても
ぉ父ちゃんは帰ってきませんでした
夜遅くになって
『ただいま』も言わずに帰ってきたぉ父ちゃんは
黙ったまま
アニーの小屋やアニーと一緒に寝ていたボンボンベッドを片付けていました
アニーがどうやって貰われていったか
そんな話をしようと
様子を見に行ったしほ丸は
ぉ父ちゃんのあまりに淋しそうな背中を見て
言葉をかけられずに戻ってきました
その日
結局ぉ父ちゃんは
『もぅ、犬なんか預からないからな!(・o・)』
と、謎の捨て台詞だけを吐いて
寝てしまいました
【さよなら アニー】
ボランティアさんは
3人でやってきました
ただでさえ朝からしほ丸が泣いていて
不安で不安でしょうがなかったアニーは
突然現れた知らない人間に
パニックになりました
いつもならお散歩大好きなアニーなのに
外に連れ出されるのを嫌がって
必死に家の中に戻ろうと抵抗しました
いつもなら目の色変えて飛び付いてくる
大好きな鳥肉で釣ろうとしても
嫌がって食べようとしませんでした
結局、3人がかりで強引に連れ出して
無理矢理、車に押し込み
アニーは連れていかれました
『ばいばい』
そんな短い一言すらも
伝えることができぬまま
アニーを乗せた車は、遠い里親さんのところに行ってしまいました
しほ丸の手には
アニーにお土産で渡そうと思っていた
鳥肉だけが残りました
さよなら…
心にぽっかりと開いてしまった穴から
涙がたくさんたくさんこぼれてきました
【アニーのいなくなる日】
『今日、アニーちゃんを引き取りに行きます』
ボランティアさんからの突然の電話
ちょっと待ってよ!急過ぎるよ!
ぉ父ちゃんもぉ姉ちゃんも
何にも知らずに会社に行っちゃったよ
アニーのさよならの日は
アニーの好きな餌をいっぱぃあげて
アニーに新しい首輪をつけてあげて
家族みんなでお見送りしようねって…
そう言ってたのに…
4時間後にアニーはいなくなる
買い物にも行けなぃ…
1分1秒でも長く
アニーのそばにいたぃから…
ぉ姉ちゃんとぉ父ちゃんに連絡をしてから
アニーを家の中に入れてあげた
アニーは、なんだかよく分からないけど
家にあげてもらったもんだから
初めは、大喜びではしゃいでいた
でも
そのうち、急にショボンとしてしまった
『あんたが泣いてるから、アニーが不安そうぢゃなぃ』
ぉ母ちゃんにそう言われて
しほ丸は無理矢理明るく振る舞うようにした
でも
やっぱりダメ
どんなに笑顔で話しても
どんなに明るく振る舞っても
涙が勝手に溢れてくるんだ
結局、アニーとしほ丸は
無言のまま…
ただただ、そばにいた
時々、アニーは心配そうな顔して
しほ丸の涙を舐めてくれた
ごめんね アニー
本当は、お前が一番不安なはずなのに…
【星空の下の約束】
アニー…
お前
もう、ずっとここにいていいよ…
パパがちゃんと最後まで面倒見て
六甲動物霊園に入れてあげるからさ
ぉ父ちゃんはアニーの頭を撫でながら
こんな約束をしてました
『ぉ父ちゃんアニー飼っていいの(・o・)
』
初めての預かり犬アニーが
可愛くて可愛くて
手放したくなくなってしまっていたしほ丸は
そんなぉ父ちゃんの言葉が嬉しくて嬉しくて
飛び跳ねて喜びました
アニーも、そんなしほ丸を見て
何にも分かってないくせに
ピョンピョン跳ねて喜びました
星空がとっても綺麗な夜でした
でも
そんな満天の星空の下で交わされた
秘密の約束は
守られることはありませんでした
翌日の朝
突然、電話が鳴りました
本当に本当に突然の電話でした
『今日のお昼に
アニーちゃんを引き取りに行きます』
ボランティアさんから
里親が見つかったとの連絡でした
【豚の丸焼き】
朝、起きると
玄関に豚の丸焼きがころがっていました
ていうか
リラックスし過ぎアニー
大形犬の仰向け寝は
ちょっと引いてしまうくらぃ無様
でも
うちに来た頃の
ガリガリ臆病アニーを思うと
そんな姿も
うれしいんだなぁ
【車に執着する犬】
子犬の茶々は
お散歩特訓中です
おしっこは、まだ上手にできなぃんだけど
紐は引っ張らないお利口さん
でも
茶々には、おかしな癖が1つあります
車への異常な執着
車が通ると
茶々は必死で車に飛び掛かろうとします
車が行きすぎても
茶々は、ずっとずっと車を追い掛けようとするのです
バイクが通っても
自転車が通っても
バスが通っても
反応はしません
でも
車だけは、気が狂ったように追い掛けるのです
しほ丸には忘れられない光景があります
小学校の帰り道
目の前を通り過ぎた真っ白の車が
急に減速したかと思うと
ドアから犬が落ちてきた
そして
その車は
そのまま一度も止まることなく
走り去っていった
茶々…
まさか、お前も…
そうやって捨てられたのか?
ことばの話せない茶々は
何も語らず
今夜も車を追い掛ける
【ボンボンベッド】
夜風がとっても気持ちよかったので
しほ丸とぉ父ちゃんは
お庭にボンボンベッドを並べて
夕涼みをしてました
すると
臆病アニーがやってきて
恐る恐るボンボンベッドに手を掛けて
こっちを見てくるんです
『私も、あがっていぃですか?』
まるで、そう聞いてきてるように…
『いいよ!あがっておいで!(・o・)』
ぉ父ちゃんがアニーを引っ張りあげてやると
アニーは、ぉ父ちゃんにピッタリひっついて寝ました
そして
そこがとっても気に入ってしまったのか
アニーは、ボンボンベッドから降りなくなってしまいました
しほ丸が、おもしろがって
アニーを引きづり降ろそうとしても
アニーはベッドに張りついたまま
ビクとも動きません
『あわび』
うん、まるで『あわび』です
でも
人間と一緒ぢゃなぃと
ボンボンベッドには上らないんだよね
可愛いアニー
その日から
しほ丸とぉ父ちゃんは
夕涼みが日課となりました
【目覚めの朝】
主従関係を間違えてしまっていた可哀想なサンタへの教育は
しばらく続きました
サンタは、みんなに愛され…怒られました
そんなある朝のこと
サンタの様子を見に行ったしほ丸は
一瞬、我が目を疑いました
あの目付きの悪い、鬼瓦サンタが
昨日の夜まで、寄るな触るなだったひねくれサンタが
キラキラと降り注ぐ朝日の下で
子犬のような
無邪気な愛しい目で
こっちを向いて座っていたのです
『天使が舞い降りてきた』
漠然と、そう感じました
『サンタ(・o・)
』
思わず駆け寄るしほ丸に
サンタも
うちに来て初めて尻尾を振りました
何がどういったきっかけでサンタが変わったのか
今だにわかりませんが
その日から
噛み犬サンタは噛まなくなりました
近づいただけで言っていた『ガウゥゥ』も
言わなくなりました
そのかわり
サンタは人間と遊ぶようになりました
サンタは人間に甘えるようになりました
【ルビーの居場所】
年寄りルビーは1日中歩いてました
とことことこ
とことことこ
リビングからダイニングへ
ダイニングからキッチンへ
キッチンから、またダイニングへ
尻尾をお尻に巻き込んだまま
ひたすら徘徊するんです
『この子、ボケちゃってるかもね』
みんな、そう思ってました
そんな日がしばらく続いたある日
ルビーの『とことこ』がピタッと止まりました
猫の寝床の前です
ピタッと止まったルビーは
何を思ったか、猫の寝床から
乱暴に毛布を引っ張りだし
猫用の小さな小さな籠に入りました
そして、うちに来てから一度も熟睡していなかったルビーが
初めて『ズーピーズーピー』と、いびきをたてて寝たのです
そうかルビーは落ち着ける場所を探してたんだ
(・o・)
にしても
ビーグル犬のルビーには
その籠…
ちょっと小さすぎやしませんか
小さな籠を
お尻にはめ込み
体の半分以上を床に投げ出し寝ているルビー
お前…本当にそこでいいのか
何日も何日もかけて探したオアシスが
そんなちっぽけな籠でいいのか
そんな人間達の声をよそに
年寄りルビーは幸せそうにズーピー
一方
寝床をとられて
完全にお怒りモードの猫は
しばらく家出してしまいました
【おあずけ特訓】
掃除機アニーに『おあずけ特訓』開始
アニーの目の前に餌を差し出し
『おあずけ(・o・)』
ガン無視で餌に突進してくるアニーを
ぐぃぐぃ押し返す
どうやったら貰えるのか
アニーは一生懸命考えてるみたぃ
覚えたての『お手』やら『おすわり』やらをやってきて
それでも貰えないので、
今度は『ワンワンワン』
色々、試行錯誤をしてくれてるんだけど
どれもこれも違うんだなぁ
こんなことを延々繰り返すこと2日間
とうとうアニーは、餌を諦めた
よしゃ!今がチャンスだ!
とばかりに
『よし!(・o・)』
と餌を差し出す
が
ここで予想だにしなかったことが起こった
なんと
餌を食わない
プィッと後ろを向き
怨めしそうな目でこっちを見てくる
こいつ…
スネやがった(・o・ノ)ノ
もぅ、そこから何をしてもダメ
『アニーちゃ〜ん食べてもいいんだよぉ
』
とか、おだててもプイッ!
『食え!(・o・)』
と口に押し込んでもペッ!
終始、憎しみの眼差しを向け
完全ひねくれモード
ダメだ一時中断
【アニーのお姫様教育】
アニーを見ていると
映画『マイ フェア レディ』を思い出す
乞食のアニーは
お姫様教育を受け
素敵なレディになる
賢いアニーは
あっという間に
おすわりとお手を覚えました
しかし
アニーにはどうしてもできない事がありました
『おあずけ』
そうです、アニーは
掃除機犬
餌を与えると
ブオォォォオオ
なのです
さて、
掃除機犬のその後は如何に
【初めての夜】
アニーは寝ませんでした
とっても疲れているはずなのに
決して横になろうとしませんでした
あまりに激動する環境が
不安で不安で仕方なかったんだと思います
そんなアニーに睡眠をとらせようと
しほ丸達は、早いめに布団に入ることにしました
電気を消して
テレビも消して…
やがて
しほ丸家は、静寂に包まれました
深い深い夜です
と、その時です
突如、闇を突き破る物音!
ドンガラガッシャーン
ななんだ
(・o・ノ)ノ
アニー何をしでかした
慌てて飛び起きた家族は
それぞれの寝室から飛び出し
アニーの元に駆け寄りました
どうしたアニー
そこにあった光景は
無残に壊された犬小屋と
その下でペシャンコに潰れた
臆病者 アニー
自分のしでかした事なのに
ワナワナと震え
完全降参状態のアニーの姿は
不謹慎にも
ちょっとおもしろかったりしました
【ひねくれ犬 サンタ】
さてさて、こいつをどうしたもんか
こんな噛み犬なんか
貰い手ないぞ
しかも
裸ん坊のぶっさいく
いいとこなんか1つもなぃ
とりあえず
主従関係だけは教えなくちゃ
というわけで
ちょっとかわいそうだが
我が家では、こんな決め事をした
1 余計にヒネくれるから体罰は禁止
2 サンタが噛んだら、おもいっきり恐い目に合わせること
3 サンタが呼んでも相手をしないこと
4 サンタの要求は無視すること(散歩以外)
5 サンタの餌は必ず人間の手からあげること
6 散歩の時は、人間の後ろを歩かせること
8 暇さえあれば、仰向けにして押さえ付けてやること
そして
8 その他は、おもいっきりかわいがってやること
まぁ、こんなことしたって
サンタには全然どうでもいいことなんでしょうけどね
だって
サンタは
『独りで生きること』を覚えてしまった
悲しい犬だから…
【耳が聞こえない】
まさかね(・o・)
だってだって、元気に走り回ってるぢゃん
だってだって、床叩いたら寄ってくるぢゃん
でも
茶々は、呼んだだけでは来ない
茶々は、餌を落としても気付かない
茶々は、怒ってもびっくりしなぃ
茶々は、犬に吠えかかられても相手にしない
茶々は、芸を覚えない
茶々のおかしなところは
全て全てが1つの結論に
結ばれていった
『茶々は耳が聞こえない』
信じたくない
信じてやりたくない
もし、この事実が確定してしまえば
この子のプロフィールに
決定的な欠陥を付け足さなくてはならなくなるから…
それがどういう意味を持つのか
里親探しの競争率は激しい
近畿圏だけで、百匹以上の犬が里親を探している
どうか、こちらの思い違いでありますように
しほ丸は、願いを込めて後向きの茶々に叫ぶ
『メエェェエエ(・o・)』
あしほ丸得意のヤギのモノマネです
反応なし
茶々の好きなおやつの袋をガサガサしてみる
反応なし
『茶々は耳が聞こえない』
そんな揺るがない事実が
しほ丸一家と
まだまだ幼い茶々に
降り掛かってきた
【馬鹿な犬】
『おすわり!』
『おすわり!』
『お!す!わ!り!』
茶々がやってきたその日
しほ丸が会社から帰ると
我が家では、
『おすわり!』の怒号が飛び交っていた
『おたくら、何やってますの((((・_・;)』
『この子、バカなんよ…何回やっても、おすわり覚えないんよ』
『おばぁちゃんなんちゃうの?(・。・)』
『いや、歯から見る限り、相当若いよ』
ん〜
普通、おすわりなんて基本的な芸は
数回やりゃ、ある程度はできるようになるはず
試しに、しほ丸も挑戦してみる
ん〜全く無反応
その時、ふと思い出した
昔、テレビで見た『耳の聞こえない犬』
パッと見は他の犬と同じだけど
よく見ると、どこか挙動不振だった
茶々と同じだ
『こいつ、耳聞こえないんちゃうの(・o・)』
半分、冗談で言ったその一言
それが少しずつ確信へと変わっていくとは
その時はまだ、信じられずにいた
【わんわんビーグル 吠えた!】
吠えない犬 ルビー
差し当たって問題なく
静かに平穏に(1事例を除く)
時は流れ…
やがて恐ろしい前評判なんか、
その存在すら忘れかけたある日
ルビーが初めて粗相をしました
えぇ、家中におしっこバラ巻きやがりましてね
その後片付けの間
おしっこたれルビーを外に出したんです
んだら
ルビーのバカ!
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
アウォウォウォオオ
3分ギブ(_゚゚)
あぁ…こりゃノイローゼにもなりますわ
『家飼いできる方に限ります』
里親募集の欄に
1つ項目を増やしました
【わんわんビーグル来たる】
『吠えて吠えて引き取り手のいなぃビーグルがいるんですよ』
ボランティアさんからの電話
『吠えるって、どんくらぃ吠えるんです?((・_・;)』
『いやぁ、ほんと1日中けたたましく…ノイローゼになるくらぃです』
どんなんやねん
そんな恐ろしい前評判と共にやってきた
わんわんビーグル
さて、いつ吠えだすか!(`・_・)
吠えたら、すぐに叱ってやろうと
しほ丸一家で、今か今かと待ち構える
30分後
鳴きません
1時間後
まだ鳴きません
6時間後
まだまだ鳴きません
1日後…2日後…
鳴きません
1週間経っても
やっぱり鳴きません
なんだなんだ?
なぜ鳴かない?(゚_。)
鳴け!こら!(・o・)蹴
…
何をしても
彼女は、しっぽフリフリ
なんだか分からんが
結果オーライ(?)
【アニーがやってきた日】
優しい目の女の子がやってきた
玄関に頼りなさげにへたりこみ
不安げに見上げるその顔は
彼女の重い重い人生を物語るようで…
この子は、楽しい思いをしたことがあるのか
この子は、心から愛されたことがあるのか
幸せを噛み締めたことがあるのか
優しい優しいその目の奥に
悲しい思い出がたくさんつまっているようで
思わず抱きしめた
伝えたいことがあるんだ
君は、幸せになる
君は、今…
明るい未来の入り口にいるんだ
言葉の分からない君に
いくら説明しても無駄なんだろうけれども
君を抱きしめるこの腕から
この鼓動から
少しでも安らぎを感じてほしかった
必ず幸せになる
必ず幸せにしてやる