【福】人間万事塞翁が馬【禍】

私は、夫に洗ってもらったタオルで後部座席を片付けてみたが、あまり効果はなく、
自分で公衆トイレに走り、タオルを洗いに行った。
当然、お湯など出ず、切るように冷たい水で汚れたタオルを洗い、夢中で絞って
車に戻った。
弟は着替えを終え、車の方を手伝おうとしたが、
私は『おとなしく前に乗って寝てろ！』と怒鳴り、ほとんど汚れる事を回避できた助手席に
弟を押し込めた。
暫くすると、夫は青い顔をして、飲み物を持って戻ってきた。
(コイツも、もう使えん！！)心で叫び、手伝おうと近寄る夫に向かい、
『お前も、おとなしく中で待っとけ！』と怒鳴った。
私は、とりあえず気が済むまで車を片付け、街路樹付近の汚物は諦めたが、
汚れたガードレールをタオルで拭き、汚れた洋服やタオルと一緒にビニール袋に密封し、
クランクの中にあったマジックで『ごめんなさい』と袋に書いて公衆トイレのゴミ箱に捨てた。
私が捨てようとしたが『これは買ったばかりで高いから勘弁してくれ…』と弟に懇願された
ズボンをトイレの水道で洗い、絞り、車に戻ると自転車で警邏中の警官に呼び止められた。

つづく…

ふと、反対車線の方に公衆トイレを発見し、
『お前！タオル水で洗って来い！まだ使うから固く絞って来いよ』
と、夫に命令、『はい』と小さく返事をし、夫は汚れたタオルを持って
トイレに走った。
弟は、出すもの出してスッキリした様子でもなく、街路樹につかっている状態。
無言で車を何とかしようとしている私に向かって『申し訳ない』と何度もつぶやいていた。
私は、トランクから弟の風呂帰りの着替えを出し、
『顔と手と靴をキレイに拭いたら、ソコで着替えろ！』と言った。
弟は『ありがとうございます』と言った。
夫は、トイレで暫く自分の顔や手を拭いたり、ウガイをしてきたらしく
なかなか戻って来なかった。
私は苛立ち走って戻ってきた夫に向かい財布を渡し、
『地下鉄まだ動いてるから、自販機で水かお茶買って来い！』と怒鳴った。
夫は『行ってきます』と言い、
再び、２００メートルくらい先の坂の下に見える地下鉄某駅に向かい走った。

つづく…

弟が小さな声で『停めてくれ…』と言った。
『！！』(ヤバイ…)
『ここはマズイからもうちょっと先までガマンしてくれ！』と言ってから
１０秒ほど後…

社用車プログレ(黒革張りシート)の後部座席は『地獄絵図』と化したｵｫｫ━Σ(‐△‐●)ﾉﾉ━ｯ!!

しかも、下を向かず、真っ直ぐ正面を向いた状態での所業

次の瞬間、私は何が『ブチッ』と切れる音を自分の中で聞いた…

とりあえず、救急入り口を通過し、ココでも停めちゃマズイけどしょうがない付近で車を停めた。
後部座席の二人は、慌ててガードレールの中に入り、街路樹の根元で粗相の続きを始めた。
私はトランクを開け、本当は帰りに寄ろうと思っていた
スーパー銭湯用に用意したお風呂セットの中から、バスタオルとスポーツタオルを出し
車の原状回復(無理だけど一応出来るだけやってみた)と二人の為に使った
つづく…

だいぶ経ってしまったが…
本年は、六星占星術によると『大殺界』らしく、実にどうしようもない事件から
始まってしまった。

正月２日
夫親族の新年会に弟を連れ出席。
男二人は、おじ達に昼から徹底的に飲まされ、夕方過ぎには二人ともダウン
スゴイいびきをたてながら寝てしまった。
１０時過ぎ、二人を起こし車で帰京途中、高速が事故渋滞になり、やむなく一般道に移った。
後部座席で再び高いびきだった二人に
『コンビニでも寄ってポカリ買ったり、トイレは大丈夫？』と聞くと
二人とも『大丈夫だから早く帰ろう』との事。
しかし、暫く行くとほぼ二人同時に窓を開けた。
嫌な予感がしたが、ゴールまであと１０分少々
『大丈夫？』ともう一度聞いても『大丈夫だから早く帰ろう』しか言わない。
その言葉を聞いて、信号を通過し、緩いカーブが続く道に入った。
都内某大学病院の救急入り口(駐停車不可能)付近に差し掛かると…

つづく…

昨日で、御用納めでした。
久々に明るいうちに仕事を終わりにして、夜の銀座へ
１日早く休みに入った夫と弟と納会ＤＩＮＮＥＲ
ＢＡＲにてガッツリ食べました。
蒸し鶏と水菜のサラダ
フィッシュ＆チップス
オニオンフラワー
アンチョビとトマトのピッツァ(ハーフサイズ)
マッシュルームのガーリック揚げ
牛ほほ肉のギネスビール煮
カルボナーラ
茄子と挽肉の炒めかけアジアンご飯
特製ピクルス盛り合わせ

ハズレなし！
食いすぎぃぃぃ
その後、弟は行きつけのクラブへ年末のご挨拶へ
我々はカラオケ

仕事が終わると、休む間もなく、テーブルを片付け夕飯のセット
生で食べるように、レモンと岩塩を用意、牡蠣しゃぶように鍋セット完了
祭りはあっと言う間に終了。
旨かった
今度いつ我が家で食べれるか分からないので、記念に写真も撮った。
社長・会長に感謝


ちなみに牡蠣しゃぶ後のお出汁にうどんを入れ、青ねぎ少々、醤油ひとたらし、生卵を落として
食べてみた♪かなり旨いっっ！！

会社同士のお歳暮のやり取りは、だいだい忘年会や納会、新年会で皆に振舞う
ビール・ジュース・日本酒(最近はワインや焼酎もある)が多い。
うちに来ているお歳暮も殆どがビールかビール券である。
そしてうちが送る分も殆どがビール・ビール券・コーヒー紅茶のセットである。
でも、社長同士の付き合いは、会社とは別にあって(一般的かどうかはわからない、
ウチの業界特有なのかもしれない)いろいろなモノが届き、また送る事となる。
この度のヒットは、クール便でやってきた【牡蠣】６０ヶ
４人家族のウチ牡蠣ＬＯＶＥは私と夫だけ、二人占めである
しかし、生食用と牡蠣を一晩で６０ヶ平らげるのはさすがにツライので、
２０ヶ→町会長のお宅へ、２０ヶ→牡蠣Ｌｏｖｅの工場長へお裾分け。
夫に『夕飯は牡蠣祭り』とすると慌てて帰ってきた
テーブルに新聞紙を重ねておき、手に軍手、お好み焼き用のコテを手に準備完了。
牡蠣の殻を開けて行く、結構力がいる→『男の仕事』なので、身を洗う塩水を準備して
開くのを待っている。まるで夫婦だけでやっている家内産業のごとく、夫はモクモクと殻を開け、
私は中身を取り出し洗う。

つづく…

ウチは紙関係の会社なので、この時期お世話になっている方々に、『主婦の友』etcの主婦雑誌年末特大号を
配っている。
下請けのノルマみたいなモノかもしれない。
この手の雑誌の年末特大号には、お約束事のようにカレンダー・正月料理のレシピ集・『家計簿』が付録で
ついてくる。重さにすると１�`はラクにある、よっほど楽しみにしてないと本屋に買いに行かないシロモノ。
でも、自分では買わないけど、もらうと嬉しいモノらしい。
去年までは、興味ナシ。
ターゲット(主婦)でなかったしね。
しかーし、今年は１冊こっそりガメておき(業務上横領)、じっくり読んでみようと思う。
家計簿も来年からは、少し真面目につけてみよう。
今までは、夫と私の収入を足して、定額積立金(貯金)・水道光熱費、保険料、車のローン、
電話・携帯代、ジム代(家賃は社宅の為給料天引き)など銀行に引き落としを登録している分を
口座にとっておき、夫の小遣い(定額)を渡し、残りから１０万円を自分の財布に入れて、
食費・日用品・自分の小遣いにしていた。
んで、給料日の前日あたりに、残った分を貯蓄専用口座に入れてガッチリ貯金。
一旦ほぼゼロにして、給料日からまたスタートする。
結婚が決まってすぐ、夫は通帳・カード・印鑑・実印・保険証券までも全て私に預けてきた。
それ以来、このスタイル。
付き合っている頃は、貯金ナシの夫の為に、パチンコやスロットで鬼勝ちした上米やボーナスを取り上げて
貯金してやり、２年で１００万以上貯めてやった。(ある日『こんなに貯まったよ』と通帳を見せると
涙を流して感謝されたものだった…)
そんな私が家計簿をつけたらどうなるか…楽しみであり、ちょっと心配。

会社に荷物が届いた。
高校時代からの友達からの、出産祝のお返し
開けてみると、松ぼっくりでできたクリスマスツリーだった。
箱の中に封筒が入っていて、上の子(女の子３歳)と彼女とこの度生まれた待望の男の子の
３ショット写真が入っていた。
丁度、七五三とお宮参りが一緒だったらしく、三人とも着物姿で微笑ましい写真だった。
彼女のお父さんは、その筋では有名な友禅作家さん。
毎年賞をたくさんもらってる作家さんで、大学で教鞭をとっていたり、自治体が主催するシンポジウムや
文化教室にも呼ばれる重鎮である。
何で、彼女のお父さんの話をするのかというと…
写真に写った３人の着物は、すべてお父さん(おじいちゃん)の作品なのだ。
今までにお父さんは、娘の為に、七五三、成人式、大学の卒業式、結婚式・嫁入り道具として精魂こめて
作品を作ってきたらしい。
今度は、可愛い孫の為に、普段の美術作品風ではなく、孫が大好きなキャラクターや、可愛らしい
動物などの柄を染め抜いているのだ。
美術界の重鎮でもやっぱり孫が可愛いらしい。
たとえ外孫であっても、男の子である。
もしかしたら、自分の仕事に興味を持ってもらいたい願いが込められているのかもしれない。

クリスマスツリーは、とてもナチュナルな風合いだったので、週末に可愛い飾りをゲットして
デコる予定。

ちなみにその夜、夫はお土産にポインセチアの鉢植えとリースを買ってきた。
いよいよクリスマスなんですな…

ウチの弟と夫の仲が良い。
週２回はつるんで飲みに行っている。
多分、お互い男兄弟がいないから、兄弟が出来た心境というよりは、同級生くらいの男友達が
近所に出来たという心境なんだろう。
最近、社長になった弟は挨拶と営業で出張が多い。
付き合っていた彼女とも忙しさのあまり上手くいかなくなったらしい。
だからなのか、夫を呼び出す事が多くなった。
夫の方は、友達同士で会うことが少なくなった寂しさを埋めるがごとく、弟に誘われると
嬉しくてしょうがないらしい。
二人で飲み、パチンコ、競輪…
でも弟が支払を持つ事が多いのが、年上の夫にとってちょっとだけうしろめたいらしい。
しかたない…零細企業とはいえ、社長の弟と同じ２０代でもサラリーマンの夫とでは、
所持金に大きな差がある。
でもね、私も夫の妹と仲良しだが、近くに住んでいないので１ヵ月に２度くらいしか会えない。
そして私が夫の妹に会うときは殆ど私の奢り。
年上だからとか、経済力の差ではなく、私は奢るの大好き。
食事や飲みもそうだけど…洋服とか化粧品とか、似合う人に、してやるヤリガイのある人には
奢っちゃう。妹が『たまには私に奢らせて！』と言ってくれるのも嬉しい。
でも『自分を信用している人間、自分を当てにしてくれる人間に損はさせない』母の性分を
受け継いでいるらしく、買っても使わないブランドバッグやなかなか行けない美術展や
ファッションショーの招待券をあげちゃう。

だから帳尻は取れてるはず

夕飯後…
いつものように夫はキッチンの換気扇前で一服。
私は、その横で洗いモノをする。
そこで思ったこと…
狭い部屋ではあるが、だいだい二人はいつも半径１．５メートル圏内で一緒にいる。
私が最近は寒くなってきたので、マッタリしたい時はベッドに寝転がり、布団をかけてテレビを観ている
(暖房費節約の為)そのすぐ横で、夫はＰＣやってたり、ゲームやってたり、本読んでたり…
一服する時もほとんど一緒、キッチンの換気扇に片手をかざしたスタイルで二人一緒。
キッチンで食事を作る時も、ほとんど傍で見てるし、クローゼットの前で洗濯物をたたんで
しまう時も、すぐ横で手伝ってくれてるし。
お風呂も一緒、寝るのも狭いベッドにしがみつきながら一緒。
朝、玄関を出るのも、夜、帰って来てウチに入る時も一緒。
トイレ以外、ウチにいる時は、半径１．５メートル圏内でしか暮らしていないのだ。
新婚だから？

現況…
入籍以来、挙式・披露宴の準備で追われ、喧嘩も多く、休みらしい休みもなく…
正直、燃え尽きて灰になってしまいそうだったが、ようやく落ち着いた新婚ライフを満喫中である。
大きな喧嘩もなく、トラブルもなく、至って平穏そのものである。

おかげさまで…ホント幸せ…多謝です。

・新郎新婦より両親へ記念品贈呈
　新郎→新郎父：ビアマグ(陶器)『二人で飲む時は、コレで飲もう！』っていうメッセージ付
　新婦→新婦母：デジタル掛時計『本人のリクエストのもの、まだまだ忙しく時間に追われる日々、
　　　　　　　　　　　　　　　　居間のどこからでも見えて、暗くても発光して見えて、とにかく
　　　　　　　　　　　　　　　　数字が大きな表示のもの』
・新郎父、親族代表挨拶
・新郎挨拶
・エンドロール上映
　二人の幼少からの写真をバックに列席者全員の名前と一言メッセージをつけて
　映画のエンドロール仕立てに上映。
　親族・友人とも大好評！！すごく盛り上がること請け合い。
　外注だけど結構安くできるし…

・披露宴お開き〜送賓〜
　両親と新郎新婦、ホワイエにて、ウェディングボード・ミニチュアドレスをバックに
　列席者と写真を撮りながら見送る。

約、３時間終了…
五ヶ月頑張ってきたけどやってみるとあっと言う間だった。

二次会は気張らず、宿泊する親しい友人と弟・妹とむ銀座のダイニングバーでマッタリ飲み。
ウチの母親は、地元の有名ホテルの最上階バーラウンジを予約し、親類達をタクシーで強制的に　
呼びつけ、夕暮れの隅田川をツマミに飲みなおしたそうだ。
田舎の親戚は大感激して帰ったらしい。
新郎側は、再び観光バスに全員乗り込み、皆地元まで大爆睡の後、皆、一軒の家に集まり、夜中まで
飲み直したそうだ。

サプライズ付の再入場後、やっとの思いでメインテーブルに到着後は、
スピーチタイム

・新郎妹、新婦弟による新郎新婦のプロフィール紹介＆メッセージ
　取説方式を採用し、面白アットホームに紹介してくれた。

・新郎友人代表スピーチ
　十年来の悪友が、新郎が新婦との交際によってかわっていく姿を、ユーモアたっぷりに
　スピーチしてくれた。

・新婦友人代表スピーチ
　大学時代からの友人で、同じように家業を手伝う境遇、同時期に父親を亡くし、不遇の２０代を
　過ごした同士。
　宴がサプライズ・大爆笑系の中、ピリッと締まる良いスピーチをしてくれました。

・デザートタイム♪(ブッフェ)
　ホワイエにて。晴天の東京湾の景色を堪能しながら、入刀したウェディングケーキを
　カットしてもらい、新郎・新婦でサーブする。
　他にも８種のケーキ・６種のゼリー・ババロア・ムース等、フルーツ、アイスクリーム４種等
　列席者達と話ができ、しばし和やかなムードになる。
　友達ともたくさん写真が撮れるし、やってよかった。

会場を出てからは戦争でもなかった。
新郎は衣装室で着替え、新婦も美容室で急いでドレスを脱いでヘアメイクチェンジ、
暫くするとサプライズ要員１名が
美容室へやってきて、そして彼女も衣装替え。
私は介添えさんからウーロン茶を飲ませてもらい、着替える前におトイレタイム。
サプライズ要員は先に用意をすませ、写真室へ移動。
写真室の待合室で新郎が着替えをすませ、一服している。
ほどなく私も着替え終わり、バッグ型のブーケを腕にかけてもらい、写真室へ
再びルーシーさんのポーズチェックを受け、順調に撮影終了。
エレベーターで他の客(おばさん２名)に『おめでとう！暑いのに大変ねぇ…』と言われた。
ホワイエでは、キャプテンさんが余興の準備を確認していた。

・お色直し入場(新郎によるビールサーブ)
　まず、中座中、会場では、再入場の時のＢＧＭ当てクイズを司会者さんにやってもらい、
　列席者は三択の中でカードを選んでおいてもらう。
　そして再入場！！
　お色直しした新郎新婦が登場すると思いきや！！！
　会場どよめきとともに大爆笑、大拍手、カメラフラッシュの雨
　何が起きたかを書きたいところだが…
　我々の余興は、会場のブライダルサロンで余興の参考紹介ビデオに納められたため、
　内容は教えられないm(_ _)m

　続く…

進行は至ってシンプル(にしたかった…)ではなかったが…
・新郎新婦入場
・ゲストデコレーションケーキ入場
　ホワイエにてハート型を四つ組み合わせたクローバー型のケーキに
　列席者がイチゴ・ブルーベリー・ラズベリー・キウイ・ミントを
　思い思いにトッピングしてもらった。
　そのケーキをワゴンに乗せて、新郎の従姉妹さん達のチビちゃん三名が
　ワゴンを押しながら持ってきてもらった。
・ケーキ入刀
・主賓祝辞(新郎会社上司・新婦取引先会社社長)　
・乾杯(新郎会社上司)　　　
　　　　　＊食事開始＊
・お色直し退場(サプライズ電報)
　新郎・新婦各一組、お世話になった親類夫婦宛てで会場にぬいぐるみ付で電報を打ち、
　他の電報に紛れて司会者さんに紹介してもらう。
　不意に感謝の手紙を皆の前で紹介され、親類夫婦号泣。
　新郎新婦、テーブルまでぬいぐるみを届け、しばし撮影タイム、カメラをかまえる従姉妹達も
　もらい泣き。そして退場。

　

ＢＧＭの選曲は、シカゴとゴスペラーズの『永遠に…』
演出が大切なのだ。
今まで、こんな余興のある披露宴に出たことある親戚、友人も幸いなことに一人もおらず
大変感激された

我々は、模擬披露宴を観てしまったので…進行にその影響が随所に出ている。
おおよそ素人が思いつかないような余興を見せ付けられ、我々は素直に良かれと思い、
お金のかからないモノを選んで、進行に取り入れている。
さむいと言われようが、馬鹿みたいと思われようが、お構いなしにハッピーな気分に
なれる余興満載の披露宴をしたかった。

新郎・新婦入場『ブーケプロポーズ』
昔、西洋では、男性が女性に結婚を申し込む際、野原の草花を摘み花束(ブーケ)を作り、
プロポーズの言葉に添えて贈ったという。
女性は、プロポーズを受け入れる場合、ブーケを受け取り、その中の一輪を男性に返し
『ＯＫ』の印とした。
…なんて言う話を司会者にしてもらい、新郎と新婦は別々のドアから入場する。
そして、新郎はブーケを手に客席を回りながら列席者に声をかけられる。
新婦は、会場中央で新郎がやってくるのを待つ。
新郎は新婦の前まで来るとひざまづき、ブーケを差し出し大声で
『幸せにします！一緒に生きよう！！』叫ぶ、新婦はマイクを持って少し考えて…
『パチンコ控えてくれるならば、ついていきます！』と言い、ブーケを受け取る。
そして、そのブーケに留めてあるブートニアを新郎のポケットに飾る。
会場、やんやの大喝采、とくに従姉妹達はもうウルウルしているのが見えた。
そして、皆の前で誓いのキスをして、腕を組みメインテーブルへ向かうのだ。

披露宴会場の準備が整い、皆、移動を始めた。
私達は、相変わらず記者会見のようなカメラ攻撃にあっていた。
人生の中でこんなに写真におさまることはそうないだろう…キレイにお化粧して、キレイな
ドレスを着て、横には私が選んだイイ男(夫)がいる。
皆、名残惜しそうに控え室を去り、受付をしてくれた友達とやっと記念写真ができ、しばし
雑談ＴＩＭＥ。皆、誰かの結婚式で受付経験のある人を人選した為、完璧な受付だった。
多謝である。持つべきものは素晴しき友だ。
いよいよ披露宴会場へ向かう。
会場のホワイエから東京湾の眩しい夏の景色が見える。
お台場・レインボーブリッジ等…本当に良い天気だった。
キャプテンさんが『予定時刻通りの開始となります！』と得意げだった。
入り口ドア前でキャプテンさん・介添えさん・新郎・新婦が手を合わせ
夫
『これから３時間よろしくお願い致します！』
４人
『ファイトぉ！オォぉぉぉぉ！』
何故か会場の係りの方々から拍手をいただき、各自所定の位置つく。
ウチの披露宴のスタートは、二人一緒の入場ではないのだ
つづく…

皆、受付に向かっている間、我々は、司会者さんと電報紹介などの打ち合わせ
我々もご挨拶に受付に行くと、入り口に夫の力作ウェルカムボードと私が着ている白ドレスの
ミニチュアが置かれ、傍らに亡き父・義母の写真が置いてあった。
皆、受付でブライダルニュースをもらい、興味津々に読みふけっている。
夫と二人顔を見合わせ『掴みはだね！』と小さくガッツポーズ
ウチのブライダルニュースは、スポーツ新聞の一面みたいカンジで
『速報！！三年間の愛を実らせついに結婚！！』とか、見出しをつけ、
二人のプロフィールや出会い、思い出の写真、両親へのメッセージなどを盛り込んだ。
裏側には席次表とゲストへのメッセージを印刷した。フルカラーＡ４サイズで
ハッキリ言って好評だった。欠席者へのお土産にと何枚も催促する人もいた。
しばし、友達や従姉妹達と写真を撮ったり、ドレスやブーケを誉めてもらったり…
親戚の伯父叔母からは、『いいお式だったわね！！』と冷やかされ…
和やかな時間を過ごした。

とんでもない前代未聞の椿事の後、誓約書にサイン→賛美歌→牧師さんが結婚宣言で
挙式は終了
あまりの恥ずかしさに真っ白になってしまった…
大爆笑と拍手で見送られ、逃げるようにバージンロードをすすみチャペルを出ると
挙式を撮影していたカメラマンさんから怒られた
『今まで撮影したカップルでバージンロードを最速で帰ってきましたね』
『フィルムが余っちゃいましたので、少しいろいろ撮りましょう』
と言われ、ブーケに指輪をした手を乗せて撮ったり、義妹作製のネイルチップをアップで撮って
もらったり…
その間、チャペル内では親類だけが残り、義父・母の司会で親族紹介が始まっていた。
控え室では、友人４名が受付の準備をしている。
我々は、写真室へ戻り、親族達との集合写真の撮影準備。
再び、ルーシーさんにメイクとヘアを直してもらい、介添えさんからウーロン茶を飲ませて
もらう。ドレスですわるのは難しい
親族紹介を終えた親類達が続々と写真室へやってくる。
皆、カメラマンさんの指示に従い、配置を決める。
チビちゃんが一人最前列で小さな椅子を用意してもらい、ヌイグルミのようにチョコンと
座っている。他のチビちゃん達はママが抱っこで落ち着いた。
女性のカメラマンさんが鈴や笛で子供の目線を誘い、順調に撮影終了。

ドアが開く…アヴェ・マリアの独唱がチャペルに鳴り響く…
一礼して白いヴァージンロードを、一歩ずつ進んで行くのだ。
正面に祭壇、ハーフの牧師さんが待っている。
後方から友人→親類→家族と皆こちらを向いてニコニコしている。
新郎側の親類達がクスクス笑いを堪えている。
(何が起こっていたは後述するとして…)
祭壇の前で一度止まり、牧師さんが頷くのを合図に祭壇へ一段上がる。
牧師さんの進行で式が進む。
賛美歌→牧師さんの結婚についてのお話→『この結婚に異議のある方はお申し出下さい。
祝福させる方は拍手をお願い致します』(皆、拍手←するに決まっているが…)
お決まりの誓いの言葉
『新郎○○○○さん、貴方は○○○○さんを妻とし、…』ってヤツ
誓いの証として指輪の交換、そしてベールアップ(練習済！)そして誓いのキス…
ここで事件発生！！！
内容はプライバシーの保護の為、公開できませんが…三択ヒントでご想像下さい。
1．新郎空腹と緊張の為、倒れる！！
2．新郎新婦キスの角度が合わず、見合ってしまい、チャペル内大爆笑！！
3．新郎が、リハではほっぺにキスのはずが、口にキスをしてきた為、新婦大激怒！！
さてさてどうなんでしょ…
つづく

控え室でしばし牧師さんの話を聞く。
青い目の牧師さん、時々英語で質問し、新郎をテンパらせている。
でもその様子が私をリラックスさせていた。
小窓から列席者が係りの人の指示に従い着席しているのが見える。
友達も会社関係もギッチリ列席してもらった。
チャペル内は撮影禁止の為、ビデオの三脚を立てていた新郎の伯父が慌てて
撤収したり、新郎従姉の子供達が照明が暗くなると泣き叫び…
諸々準備終了でいよいよ挙式スタート時間となる。
チャペルのドアが閉まり、牧師さんと新郎がガッシリ握手をした。
オルガンの音が始まり、聖歌隊が歌っている。
次にドアが開いたらバージンロードを二人揃って歩くのだ。
あぁ…やっとココまできた、いろいろ頑張ってきたのは今日この時の為…
思えば、ホントなら南の島のリゾートに新婚旅行に行くはずが…
貯金叩いて挙式・披露宴だよ…
もったいないと乗る気でなかった私。
でもフェアに行ったらやる気モードに突入ミーハーっつーか、
ノリが良すぎる我々…
泣きながら喧嘩もいっぱいしたけど…
両家の一員として、社会人として、宴会の幹事として、
常識と誠意を尽くしてきた。勉強になることがたくさんあって、一人前の大人に
なったような気さえした。
夫も入籍以来、いろいろな所で頭をさげ、御祝を戴き、結婚した事で学んだ事は
数知れず…恥もかき、腹も括り、開き直ることもあり、本当に短期間にいいオトコに
なったような気がする。
もうすぐドアが開く…

写真室の入り口に夫が寛いで待っていた。
夫
『おぉ…見事に化けたねぇ！！』
褒めてるのかよ
まずは白ドレスと黒タキシードで記念撮影
ルーシーさんがドレスの裾を直して、ブーケを持つ手の位置を固定してくれた。
ブーケはラウンド、若草色と白のグラデーションで涼しげ・さわやか・スッキリとシンプル
でも結構重い
久々にアイライン・マスカラつけてるから目元に違和感があり、瞬きしまくりだった。
写真の出来栄えは期待薄
撮影後は、各家控え室にてご挨拶。
既に父方・母方ともメンバー揃っていて、窓の外の景色を楽しんでいた。
外は本当に良い天気でフェアで見たガーデン挙式にしていたら熱射病で
倒れる人続出ってくらいの猛暑日である。
中に入って介添さんに座らせてもらい、ウーロン茶を一口飲ませてもらい
やっと一息ついた…一服してぇ…ってカンジ。
従姉妹達が携帯のカメラとデジカメで撮影攻めそこへ親戚の叔父叔母達も
加わり列が出来てしまった。
新郎側の従姉妹達(元気なギャル軍団)も押しかけスゴイ騒ぎになってしまった。
ほんの10分くらいで、いよいよ挙式の時間になり、新郎新婦とも一足先にチャペルへ移動。
エレベーターの中で髪につけた生花が落ちそうになり、介添さんが慌てて
美容室に連絡→我々牧師さんとの打ち合わせ中再びルーシーさん登場！！
ピンでガッチリ固定し直しホッとす、ついでにパフで顔も直してもらった。
つづく…

ドレスを着せてもらって→ロングベールをつけて→グローブをつけて→
ブーケを持って→後は靴を履けば…花嫁の出来上がり
ヘアメイクのルーシーさん(勝手に命名)自信ありげに
『いかがですか？』
私
『バッチリですね、思っていたとおりの仕上がりです』
ルーシーさん(ルーシー・リュー似だから)
『改めて…本日はおめでとうございます』
と、ご挨拶されてしまった。
私
『ありがとうございます、おかげさまで上手く化けれましたm(_ _)m
あとは今日一日花嫁満喫してきます！』
ルーシーさん
『何が起きても笑顔で頑張って…花嫁が笑っていればなんとかなりますからね』
とアドバイス。せまい更衣室で思わず、ガッチリ握手してしまった。
更衣室を出ると、あとからきた新婦さん達に『わぁーっすごーい！』とか言われた。
新婦１号行きます！カンジ…
美容院の外で介添人のお姉さんと本日仕切のキャプテンさんが待っていてくれた。
美容室全員の方のお見送りを受け、同じ階写真室へ移動。
つづく

私のドレスは、ホルターネックのＡライン、上半身はスパンコールキラキラで
ウエストの切り替えにオーガンジーの大きな花飾りがついている。
そしてその飾りがドレスの後ろに沢山ついていてトレーンも長め。
どちらかと言うと大人っぽいカンジではない、このドレスを着るにはちと歳を取りすぎた
ような気がするのだが、夫が選んだモノなので、良しとしている。

月末で忙し過ぎ！また今度…

義妹が『お兄ちゃんはウザイから向こう行ってて！全部仕上がってから見ないと
姉さんが可哀相でしょ！』と言ってる。ゴモットモ(人´∀｀)
親族控え室の用意が出来るまでほんの５分程度邪魔しに来たらしい。
一方、他愛のない兄妹のやり取りをドア１枚向こうの更衣室で聞いていた私は…
ヘアメイクだけ担当かと思っていたルーシーさんとともに密室で二人きり…
オーダーしたお嫁パンツ(膝丈の先が窄まったズボン型スリップ)を履いて、
これもオーダーしたドレスデコルテ用のブラをルーシーさんにつけてもらった。
もちろん背中のお肉もカップに入れてもらったそしてこれまたオーダーした
コルセットを懇親の力をこめて締めてもらい整形終了。
いよいよドレスを着せてもらおうかと…
ルーシーさん
『昨日よりコルセットのホック一つキツ目に留めましたけど、大丈夫ですか？
なんとなく留まってしまったので…』と…
私
『大丈夫です…多分…これでいきましょ！どうせご馳走食べられないから…』
ルーシーさん(ホックを一つずつずらしはじめ…)
『そんなコトないです！堂々と召し上がって下さい！勿体無いし、記念なんだから…』
私
『ありがとうございます！しっかり頂いてきます(￣^￣ゞ』
なんとなくここら辺でやっとルーシーさんとコミュニケーションが取れてきた。
つづく

たった１５分くらいのマッサージだったが、よくクレンジングしてもらい
顔の血行もよくなり、バスローブの中に手を入れて背中までサロン自慢の『アナコンダ』という
たかーい美容液を塗り、メイク開始となった。
前日リハから気になっていたことは、担当のヘアメイクさん、ルーシー・リューに
そっくりである。しかもアリーＭｙ　Ｌｏｖｅの時の『リン』役(？)そのもの。
つまりちょい怖い…仕事は速いし手元も優しいのだが、その日美容室一番乗りの新婦
だった為、次の人が登場するまで黙々と何も語らずメイクが続いている。
そして二番手登場！ガヤガヤと母＆義妹が私の横に並んで座り、今の空気を読んでいた。
ルーシーさん怖い…二人担当者さんは優しそうで和気藹々…楽しそうだ。
ルーシーさんは…真剣にホットカーラーを巻いている…しかし確実に仕上がり、注文したブーケと
ヘア用の生花も届けられた。
丁度、ヘアも仕上がり、これからドレスを着せてもらおうと移動していると入り口から
大きな声で夫が挨拶をしているのが聞こえた。
新郎は父親を連れて衣装室に行き、タキシードを持って『メンズルーム』なる場所で
かるーくメイクをし、髪型も整えてもらい、もう準備万端なのだ。
なので冷やかしに美容室をのぞきに来た。
つづく

しばし二人きり、戦闘前の静けさの中、熱いコーヒーを入れ、今度いつ吸えるか分からない
タバコにお互い火を付け合って…ほんの１０分くらい平和な時間が流れた。
しかーし！美容室組(母、義妹)貸衣装組(夫・義父)が揃った為、いよいよ戦闘
開始となった。
一番手新婦美容室へ…
美容室の入り口で皆様にお出迎えされ『本日はおめでとうございます！』と声を揃えて
言われてしまい、思わず恐縮たら地元の銘菓に寿の熨斗紙をつけ、心付を添えて受付の人に
『皆様でどうぞ』と言って渡した。『お心遣いありがうございます!』と機嫌良さそう♪
さて、まず前日のメイク・ヘアの確認をし、前髪のポンパをもう少し低めにして櫛目を
ちゃんと通すところだけ修正して欲しいと伝え、早速メイク開始と思いきや…
同じホテル内のエステサロンの方が来てて、『メイクのノリを良くしましょう』と
スチームをあてながらメッサージを始めた。
そんな注文していなかったので、『どうしよう…別料金発生？』とドキドキしながらも
成すがまま…するとブライダルエステの担当だった人が来て『たまたま早く出勤したら、
午前中、サロンに自分の予約が入っていなかったので、○○様のお母様のお支度が見たくて
来ちゃいました。だからお嫁マッサージ、サービスします』
『はぁ』
そう、うちの母親は別の意味で今日は主役なのだ
つづく…

母は化粧の真っ最中であったが私がやってきた事に驚くこともなく『お天気よくてよかったわね〜』
なんて言っている。コンタクトの件を話しながら、父の仏壇お線香をあげていると母が
『多分、今頃テンパってるわよ○○さん(夫)』と笑っていた。
弟に『タクシー拾ってやるから早く帰れーっ!!』と促され、しっかりお茶一杯頂いて再びホテルに戻った。
所要時間２５分。
美容室に行く４５分前に帰って来れた。
夫はすでに、当日観光バスでやってくる親戚が到着した連絡を受けていて、私のこととちがった事で
テンパっていた。
仕事立て込んできたのでまた来週