へぇ〜ってなんだよ！と思いながら。
「家族の定義っていまだにはっきりしないらしんですけど…どう思います？」
「…。」
「私は〜と思うんですよね。でも、うちは変わってる家族なのでいまいち世の中の家族が理解できなくて」
「家族形態や家族関係は家の建築構造の歴史を見ることでもよくわかるんだよ」
「…ほぉ。（こいつすごいかも？）」
「それで…かくかくしかじか…」
「それでそれで。メモしてもいい？」
「どうぞご自由に。」
別の話も。
「俺の好きな建築は…こんな感じ（写真みせてくれる）」
「△◎♪※＃％＊！！！」
「感想は？」
「すげぇ。超かっこいい！！これはドコにあるの？？」
と、こんな会話が朝の７時まで続くのです。

大嫌いが大好きに変わった瞬間。

これがずっと続くのです。そうここから４ヶ月も。

今日は友達が10人来るからバイト先で遊んでて欲しい…よくわからないお願いをされた私は朝までバイト先で過ごすことに。
でも、そんなことは日常茶飯事。朝まで話し込んで楽しいバイト先だったのです。
しかし。そう。♪♪がいるのだ。どんな顔するかな？
「こんばんわぁ」
「こんばんわ。どうしたの？」
「あのですね、カクカクしかじか。という訳でココで一晩過ごそうかと思いまして。」
「あ、そう。どうぞ。でも、みんないないよ。」
「そうなんだ。静かにしてるから。手伝いもするよ。」
「どうも。」
あ〜。調子が狂うな。
しばらくしてレジ締め終了。
パックジュースが配達されてきてお手伝い。ほぼ無言。
でも私のほうが慣れてたから色々教えてあげた。
お弁当もきて、ひと段落。
裏の部屋で思い切って話しかけてみた。
「大学で何を勉強してるんですか？」
「ん？建築。言ってもわからないでしょ！」
「まぁ確かに。面白いんですか？」
「それじゃなきゃ勉強しないよ」
「はぁ」
「◎◎さんは何を勉強してるの？」
「私は家族社会学ですけど」
「へぇ〜。」

♪♪との入れ替えが始まってから９割は
「おはようございます」
「おはようです（ボソッ）」
とか
「今日は暑いですよね？」
「…そうかなぁ？」
そんなんばっかり。
バイト終了後、裏で遊んでると。
「早く帰りなさい」とか言われるし。
なんやねん！そんなの私の勝手じゃんね。と思いつつニコやかにお仕事＆おしゃべり。
そんなのが２ヶ月も続いたある日。ひとつの転機がやってくる。
その日はよく晴れた夜空だった。

裏に行くと。
「それじゃ。これからよろしくね。」
「うん。わかったよ。」
なんのやりとり…もしかして。
「あ。来週から夜勤のシフトに入ってもらうことになったから。◎◎と一番顔会わすことになるから。ちなみに俺の同級生ね。」
「はじめまして。◎◎と言います。」ﾆｺﾘ。
「え〜と。♪♪です。よろしく。」ﾍﾟｺﾘ。
「同級生っていつのときのですか？」
「…。」
マジッすか？？
「こいつね人見知りするの。高校の同級生。なっ？」
「うん。」
…大丈夫かな？客商売なのに。

ピンポ〜ン♪

「あ。お客さんだ。それではまた今度。」

裏から出るとき♪♪の顔がチラッと目に入った。
な〜んか。変わった人。

「いらっしゃいま…。な〜んだ店長か。おはようです。」
「な〜んだってなんだよ。笑　何か変わったことあった？」
「特にないよ。いつも通り。」
「んじゃ。俺、裏にいるから。行こうぜ。」と後ろにくっついてる人を促して一緒に裏へ。
「こんばんわ！」
「ども。」ペコリ。
どもってなんだよ。もうちょっとちゃんと挨拶できないもんかね？？
愛想の無いヤツ。

コンビニのピンポ〜ンってやつ。
これが君との出会いでした。