さらばペーパームーン外伝

「とにかく一度食べてみて」「100円200円消費税込み」

この回転寿司屋に、我々は何かを感じ、昼の寿司屋はここに決定した。 ここの存在はかなり前から知ってはいたが、何故か一度も入ったことが無い。

本屋の帰りに我々はとうとうこの店に入ることになった。 店に入ると私は早速、評価状態に移った。

客行列ができてしまっている隣の各安な回転寿司屋と比べると、客人の量が非常に少なかったので、最初はあまり期待はしなかった。
あまりおいしくなかったならば、数皿でここを後にしようと弟子にも告げてある。 しかし鮮魚に目がない弟子は、私の慎重な思いをよそに高速で目の前の皿をつかんでいっていた。

「うん、おいしい。」と弟子は発した。
私は弟子に先に食べさせ、あとでゆっくりと賞味に入る予定でいた。
ふとまわりを見渡してみると、年齢の高い人たちが多いのに気付いた。 今までの経験から、こうした高年齢の人たちに支持されている寿司屋の味には私も満足することが多かったのだ。

さらにネタの一覧表を見てみたが、ネタの種類は回転寿司屋にしては、少し多いほうのランクだった。

握っている人たちも職人のような面もちで、私の僅かだった期待は皿を取る前にみるみると大きくなっていった。

次へ
ひとつ戻る
TOP