正寿司に行こう!

値段のことが気になったが、みんなはもうハラペコ状態らしく、一気に店になだれ込み、カウンターにどっかりと座った。

中にはおじさんがひとり。壁には値段表は全く無い。はっきり言って財布の中に4,000円しかない私は動揺していた。

握る支度をはじめた店主に向い、たんめんが大きな声で発言した。

「すいません!!まぐろとしゃけ!」

ここは回転寿司屋では無いことを忘れ、回転寿司メンバーは支度に一生懸命な店主をよそに次々と注文を始めた!

「かつおはありますか?」

とけんちんが聞く。

「かつおは今は季節じゃないから・・」と店主。

ここで、いきなりペナルティである。値段表の無い店屋の気分を損ねると後がこわそうだ。

とりあえず、まぐろとエビが握られる。でかい。やはりでかいのだ。ネタがごはんの3倍はある。

それぞれの下駄に乗せられる。たんめんは勢いよく口に放りこんだ。

ほとんどそれと同時に全員うなりはじめた。我々以外の客はおらず、静まりかえった寿司屋さんでメンバー同士の鋭い目線が交差した。

(終わり)

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