さらばペーパームーン
この雰囲気に我々全員は驚いた様子だったが、その驚きは目の前の回転ベルトに乗っている多くの寿司を見ることにより、ますます大きくなったのであった。
回っている寿司のネタがかなり大きいのである。
レベルの低い店では、ネタの大きさに比例してシャリまでおにぎりのようにデカクなることが多いが、ここは違ってネタだけが大きい。
それに気づいた我々は、すごい早さで皿をかき集めて、味の審査を始めたのである。
その結果、我々4人全員、前のようにこの店を否定することにはならなかった。どの寿司をとってみても非常においしいのである。
「生まれ変わった」と書かれた店の前にいくつもある看板に、ひとつの偽りも無かったのだ。
今まで通っていた別の店のことを思い出すと、非常に無駄な行為を繰り返していたものだと自戒の気持ちでいっぱいになる。
そして私は友人のひとりと、今まで無駄だった分を取り返すべく、長く楽しい寿司人生第2部の始まりを誓い合うのであった。
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