さらばペーパームーン

それでは2番目の評価ポイントのシャリのおいしさは、どうだったのだろうか。

近年のタイ米輸入フィーバーで、市民のお米に対する意識が非常に高まったようである。

ちょうどタイ米が日本米を侵食しているころに、あるお客のオヤジがペーパームーンの握り主に「最近の米はどうなんだ?」という質問をしたところ「ウチも難しいですねぇ」という答えが返ってきたことがあった。

私はそれを聞いて、寿司のシャリをまじまじと見てみた。確かにタイ米特有の長い粒が確認できた。

しかし、味にひどく影響しているとは思えなかった。正直なところ、言われるまで気がつかなかったのだ。

家で炊いたお米にタイ米が混ざっていると、すぐにわかることが多かったのだが、この素晴らしい回転寿司屋さんは全くそれを感じされてくれなかった。

私はこの店の相当な研究があったからこそのものだと思っている。タイ米の寿司への影響は、もちろん、前々から憂いでいたが、この店については少しも問題がなかったのだ。

それでは、シャリに全く魅力のないお店の特徴をもう一度記しておこうと思う。

それはズバリ、バイトの高校生が握っている回転寿司屋である。これは入店しないほうが身のためだと思っていただきたい。

しかし、入店してから気付くことももちろんあるだろう。そのような時は決して握り物には手を出さず、比較的味の安定している軍艦巻(うに、いくら等)を食し、数皿で店を出るべきである。

1皿で出てしまうのも、この際しかたがないと私は思う。このような店には、少し屈辱を味わってもらいたいものである。

それと、高校生が握っているということ以外の目印で、これを見たらまずいシャリが回っていると思え、というものは、ビニール手袋・黒い制服・特異なネタ・寿司ロボット、がある。

とくにロボットにはこれから先、絶対に近づかないほうがいい。

しかし、そんなシャリのおいしいと思えない店に、何故かお客はたくさんいる。
しかも、みんなおいしそうに食べているのが非常に不思議でならない。

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