さらばペーパームーン

3番目のポイントはネタの大きさであるが、これは意外とかなり評価のしづらいものなのである。

それは4番目のポイントでもある値段の安さとの兼ね合いがあるからなのだ。

皿の基本料金が安い店(100円〜)は得てしてネタが小さいものなのだ。
少し値段を上げてでも、ネタをもう一回り大きくして貰いたいものだが、それぞれの店のコンセプト等もあり、いたしかたないことであろう。

ペーパームーンが伝説となった理由のひとつは、ネタの大きさであったと私は思う。
何故なら、普通では考えられないような非常に大きなネタをいつも低価格で我々に提供していたからだ。

私は関東の数ある回転寿司屋を回っているが、いまだペーパームーンよりネタの大きな店を見たことは無く、これからも決して見ることができないものと完全に諦めている。

大きなネタを値段を抑えながら提供できたのは、おそらく、店の人の魚をさばく技術が優れていて、身を最大限に生かす切り方を完全にマスターしていたからだと思われる。
あるいは生まれもってのネタ切りの天才だったのかも知れないが。

それにしても、最近の各安回転寿司屋には目を見張るものがある。すべての皿が100円から120円に設定されていたりするのだ。
安さはかなりの武器であり、私も安価皿に手を伸ばす経験をかなり積んでいるのだが、中には安くしすぎて、まるでミニチュアのような寿司を回している店もある。

最盛期のペーパームーンのことを思い出すとこういう店では、とても食べる気力が湧いてこない。

皿の種類の多い店も非常に食べづらい。6種類もある店に入ったことがあるが、皿に手を伸ばそうとするたびに料金表を確認してしまう。
200円くらいで中堅のネタを食べられるのが私の理想なので、うに等高価な皿のものは、上に乗せる量をいくらか減らすなどして値段を200円ランクに下げる柔軟な姿勢をとって貰いたいものだと思う。

そのほうが良心的であるし、本当に回転寿司のわかる客は、うにの量が少し少なくなっただけで来なくなるということは決して無いはずである。

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