さらばペーパームーン

実はペーパームーンは生まれ変わったあとに、1度だけ料金改定を行っている。

当初は、120円240円300円の三種類の皿が存在していたのだが、赤字が出てしまったのだろうか、いつからかメニューも減り、120円200円の二種類の皿になってしまったのだ。

これにより、ウニの盛りが減少したり、アナゴのランクが120円に下げられたり、軍艦物やまぐろなどは裏で女子高校生が握ることもあった。

友人はこの時点で残念ながらウニのおいしさが落ちたと証言している。

そのときは仕方なくか時給750円で女子高生を雑用に三人も雇っており、寿司屋さんにしてはかなりミスマッチな店内の風景だった。

しかもそんなおり、マスターが店に姿を見せることがなくなった。そのときから我々のこの店に対する心配は始まった。

夜中がほとんどだったからなのかも知れないが、いつ訪れても店内はすいていた。

しかし理由は夜中に来たというだけでは無いと思う。店は日本一長い国道四号線の下りに面しており、アピール度は抜群なのである。
しかし、悲しいかな、長い坂がちょうど終わって自動車のスピードが上がりきったところに店があるのだ。
これでは、かなり遠くから店の看板を発見しない限り、入りたくても入れないスピードになってしまう。

それともうひとつ考えられる理由に、店の名前の妖しさがあげられる。
「ペーパームーン」という名が実力のある寿司屋の名前に思えるだろうか。答えは否である。

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